著者
池田 智子
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.52-60, 2003-07-31

従来,相互行為における笑いは主に会話分析の枠組みの中で研究されてきた.本稿では日本語の二者対面状況の中で笑いという行為がいかになされ,どのような結果をもたらすかを,あるインタビューの事例を通して具体的に検証する.分析の対象としたのは,フェミニスト刊行物の編集者が読者ボランティアに対して行ったインタビューである.基本的な価値観を共有する二者間のやりとりを子細に検討した結果,以下の現象が観察された.(1)デリケートな内容に関する質問は笑いと共に発せられ,受け手の笑いをも引き起こす.(2)話者自身のトラブルを披露する発話の終了地点付近では,必ずと言ってよいほど笑いが発せられ,受け手も笑いで応じる.相互行為における笑いは偶発的なものではなく,組織的に産出され,またコミュニケーションの次の展開に影響を及ぼすリソースとなる.本データでは,笑いが参加者の一体感を高めつつ,インタビューの目的達成に貢献している様子が観察された.

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“CiNii 論文 -  日本語対面状況における笑いの構造と機能(<特集>コミュニケーションの社会言語科学)” https://t.co/J9R17d8Uab

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