著者
小谷 充
出版者
島根大学
雑誌
島根大学教育学部紀要. 教育科学・人文・社会科学・自然科学 (ISSN:18808581)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.127-142, 2012-12-25

本研究は、映画を主とした映像表現に展開するタイポグラフィの構造分析を通して、文字の視覚的な意味伝達機能を明らかにすることを目的としている。本稿では、グラフィックデザイナー・�良多平吉(1947-)がタイトルデザインを担当した劇場用アニメーション『銀河鉄道の夜』(1985年、監督・杉井ギサブロー)を対象作品として、組版の再現実験をもとにタイポグラフィの特質とそのコンセプトを考察した。対象作品のタイトルデザインやクレジットに見られる以下の特質、①混植を前提とした和文組版、②複数の欧文書体による画面構成、③精緻で極端な詰め組調整、④従属欧文の排除、⑤拗促音の小字、⑥罫線および記号類の使用などの「視覚表現の文法」は、�良多平吉が装丁を担当したますむら・ひろし(1952-)の原案本においてすでに構築されていたことを明らかにした。さらに、原案本から映画、関連書籍へと拡張する媒体の視覚的同一性を、組版技法によって保持していたと結論づけた。

言及状況

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ばるぼら氏(@bxjp)のツイートに二週間経って気がつく僕って…。言いたいことの四割程度しか追いかけられなかった苦難の16頁モノ紀要論文。本文がweb公開されたらお知らせします。。。劇場用アニメーション『銀河鉄道の夜』の組版技法 http://t.co/g1X86MIHKz
編集長が読んでた。羽良多さんのタイポグラフィが取り上げられてる論文。アイデアの特集の時に記事に反映させたか覚えてないけど、羽良多さんは「の」の字の形には独自のこだわりがあるようでした/劇場用アニメーション『銀河鉄道の夜』の組版技法 http://t.co/gT3GaSKhDz

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