著者
海山 宏之
出版者
茨城県立医療大学
雑誌
茨城県立医療大学紀要 (ISSN:13420038)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.45-51, 2013-03

クリオニクスは、死体を冷凍保存し将来の科学による蘇生・治癒を期待する試みである。この技術は、復活を信じるという意味で宗教に似てはいるが、不死なるものが人間の中にあるという認識を欠き、宗教とは言い難い。また再現性のない技術に寄りかかる態度も科学的とは言えず、本質は賭けに他ならない。現在、生命倫理学において生の延長という倫理問題が話題になってきている。バイオテクノロジーにより人の老化を遅らせ寿命を延ばすという行為にも、死に向き合う気持ちを薄れさせたり、世代交代が阻害されたり、少子化につながったりするという危惧が考えられている。死者のみを扱うという点で狭義には葬送法としか言えないクリオニクスではあるが、死の運命を忌避し死すべき存在としての自分を考えないようにするという点で、生の延長の倫理問題の先鋭的な形と考えられ、広義にはこれも生命倫理的議論が必要なテーマであると言えるのである。

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海山宏之「クリオニクスの生命倫理的位置づけ」という論文https://t.co/EGYn7dKD3D、引用紹介してる論文たちが、私の「生延長の哲学と生命倫理学」https://t.co/H3uxPjy9FPで紹介したものとまったく同じなのだが、これ研究倫理的に大丈夫なの?

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