- 著者
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岩橋 清美
- 出版者
- 千葉経済大学
- 雑誌
- 千葉経済論叢 (ISSN:21876320)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, pp.一-一九, 2013-07-25
本稿は、江戸の町における迷子の保護について分析を行ったものである。迷子は捨子と同様に近世後期には主要な都市問題の一つになっていた。それは、捨子に準じ、親類・縁者・養父母が見つかるまで養育しなくてはならず、その費用を町入用から捻出したからである。こうした町の負担を軽減すべく、安政四年(一八五七)、町の有志によって一石橋に迷子石が建立された。これは迷子情報を手軽に広めることができる方法だったため、明治初年にかけて各町に次々と迷子石が建てられることになった。本稿では迷子石建立をめぐる手続きを分析し、迷子保護に対する町奉行所と町人たちの意識の差異、迷子石の社会的意義について考える。