著者
古田 克利
出版者
日本インターンシップ学会
雑誌
年報
巻号頁・発行日
no.15, pp.9-16, 2012-11-20

本研究は、インターンシップ経験が就職活動生のキャリア適応力に及ぼす影響を、アンケート調査により実証的に検証することを目的としている。具体的には、古田(2010)で提示された「キャリア自信に対するインターンシップ経験とサークル活動の交互作用モデル」について、1)調査時期を、就職後の新入社員の時期から、大学3年生の就職活動初期の時期に早め、2)学生時代の、サークル活動に対する取り組み度合いを測定する質問項目を改善し、再検証することを試みた。就職活動中の大学生・大学院生を対象としたアンケート調査を行い、354票を回収した。回収したアンケート調査票のうち、回答に不備のある22票を除く、332票のデータを分析対象とした。重回帰分析と分散分析を行った結果、学生時代にサークル活動に注力した者(注力群)よりも、注力しなかった者(非注力群)において、インターンシップ経験のキャリア自信に及ぼす影響が有意に大きくなることを確認した。調査時期を、企業へ入社後すぐの時期から就職活動の比較的初期の時期に早め、また、学生時代の活動に対する注力度の測定方法を"学生時代にサークル活動に注力したか"と直接的に問う質問に改めても、古田(2010)と同様の結果が得られた。このことから、本研究の検証モデルである「キャリア自信に対するインターンシップ経験とサークル活動の交互作用モデル」の信頼性は、より高まったと言える。

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