著者
古田 克利
出版者
公益社団法人 日本公認心理師協会
雑誌
公認心理師:実践と研究 (ISSN:24367524)
巻号頁・発行日
pp.a03.a101, (Released:2023-11-01)
参考文献数
18

本研究の目的は,大学キャリアセンターの相談場面における学生を傷つける発言の有無とその内容を明らかにすることであった(研究1)。また,そのような発言が相談担当者と学生の支援関係に与える影響と,それが生起しやすい条件を,相談担当者の性別,および学生と相談担当者の性の一致・不一致に着目し明らかにすることであった(研究2)。研究1では,4,284名を対象にアンケート調査を実施し,傷つける発言を受けた経験のある592名を分析対象とした。研究2では,6,477名を対象にアンケート調査を実施し,895名のデータを分析対象とした。研究1の分析の結果,59%の学生が傷つける発言を受けた経験を有していた。また,その内容は「間接的マイクロアグレッション」「直接的マイクロアグレッション」「カウンセリング態度の欠如による発言」の3カテゴリーに分類された。研究2の分析の結果,学生(男性)では同性の相談担当者との間で間接的マイクロアグレッションが生じやすく,学生(女性)では同性の相談担当者との間で直接的マイクロアグレッションが生じやすいことが明らかになった。
著者
古田 克利
出版者
日本キャリア教育学会
雑誌
キャリア教育研究 (ISSN:18813755)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-10, 2018-09-30 (Released:2018-09-30)
参考文献数
36

This study aims to measure the Meaningfulness of University Life and to clarify its features, and to consider the relations between the Meaningfulness of University Life and Work Value and Career Consciousness. Firstly, I measured the Meaningfulness of University Life based on a scale measure of calling, whose definition was clarified by Dobrow & Tosti-Kharas (2011). In this study, with reference to the scale measure of calling, I created a 9-item scale measure of Meaningfulness to measure the 3 aspects of studying, extracurricular activities (various kinds of clubs) and part-time jobs. After comparing the average of Meaningfulness of the 3 aspects, one aspect which is a meaning of University Life (studying) is significantly lower than the other 2 aspects. Secondly, I clarify the relation between the Meaningfulness of University Life, Work Value and the Career Action Vision Test (CAVT). As a result of this analysis, the Meaningfulness of studying showed a significant correlation with Work Value and CAVT.
著者
古田 克利
出版者
日本インターンシップ学会
雑誌
年報
巻号頁・発行日
no.15, pp.9-16, 2012-11-20

本研究は、インターンシップ経験が就職活動生のキャリア適応力に及ぼす影響を、アンケート調査により実証的に検証することを目的としている。具体的には、古田(2010)で提示された「キャリア自信に対するインターンシップ経験とサークル活動の交互作用モデル」について、1)調査時期を、就職後の新入社員の時期から、大学3年生の就職活動初期の時期に早め、2)学生時代の、サークル活動に対する取り組み度合いを測定する質問項目を改善し、再検証することを試みた。就職活動中の大学生・大学院生を対象としたアンケート調査を行い、354票を回収した。回収したアンケート調査票のうち、回答に不備のある22票を除く、332票のデータを分析対象とした。重回帰分析と分散分析を行った結果、学生時代にサークル活動に注力した者(注力群)よりも、注力しなかった者(非注力群)において、インターンシップ経験のキャリア自信に及ぼす影響が有意に大きくなることを確認した。調査時期を、企業へ入社後すぐの時期から就職活動の比較的初期の時期に早め、また、学生時代の活動に対する注力度の測定方法を"学生時代にサークル活動に注力したか"と直接的に問う質問に改めても、古田(2010)と同様の結果が得られた。このことから、本研究の検証モデルである「キャリア自信に対するインターンシップ経験とサークル活動の交互作用モデル」の信頼性は、より高まったと言える。