著者
佐々木 順二
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.221-230, 2010

明治末期から昭和戦前期の日本の聴覚障害教育の方法的整備に耳鼻咽喉科学が果たした役割を明らかにするために、九州帝国大学医学部耳鼻咽喉科学教室の臨床・研究環境の整備が国内の聾唖教育の方法的整備にどのように関与したのかを分析した。同教室による聾唖教育の方法的整備への関与の内容を要約すれば、(1)無響室、声音及言語障碍治療部等の設置による聾唖や残聴利用の基礎的・臨床的研究の促進、(2)臨床・研究上の知見に基づく、福岡盲唖学校の口話教育・残聴利用の教育との連携、(3)聾唖教育関係者への日本初の検査設備・機器の紹介という三点であった。今後、同時期における聴力検査の実質的効果、耳鼻咽喉科医師による聾唖教育の制度的・方法的整備への影響等、さらに解明していく必要がある。

言及状況

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@M_switar こういう論文もありますし、こういう視座で仏国と日本の対比をおこなうのもありかも。 vid. 明治末期から昭和戦前期の耳鼻咽喉科医師による聾唖教育への関与--九州帝国大学医学部耳鼻咽喉科学教室を中心に https://t.co/FCvAHZCv5m #CiNii

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