- 著者
-
加藤 千枝
- 出版者
- 一般社団法人 社会情報学会
- 雑誌
- 社会情報学 (ISSN:21872775)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, no.1, pp.45-57, 2013
本研究では,出会いを「ネットを介して知り合った人と実際に会った経験」とした上で,ネットを介した出会いの過程を質的に明らかにすることを目的とし,青少年女子15名に対して半構造化面接を実施した。その結果,ネットを介した出会い経験者は8名,非経験者は7名おり,経験者は「インスタントメッセンジャー」「ソーシャルネットワーキングサイト(サービス)」「メールボックス」「BBS」を介して異性の者との出会いを実現させていた。また,経験者はネットを介した出会いを実現させる前,出会いに対して「否定的感情」を抱いているにも関わらず出会いを実現させており,その理由として,ネットの特性が影響していることが考えられる。加えて,経験者はフィルタリングが導入されていない端末から自由にネットを利用できる環境にあり,ネットを介した出会いのトラブルや事件を防ぐ為には,青少年心理を理解した上でのリスク教育とペアレンタルコントロールも必要であると言える。