- 著者
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藤田 晴啓
- 出版者
- 新潟国際情報大学
- 雑誌
- 新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, pp.27-38, 2014-04
クスコ、ヴィルカノタ川沿いの聖なる谷からマチュ・ピチュ遺跡にかけてのインカ時代遺跡群の調査を行い、遺跡群の地理的特徴、マチュ・ピチュ遺跡の立地、都市建築の歴史的背景、遺跡の劣化状況および保存施策について報告した。マチュ・ピチュ遺跡は、南北に連なるふたつの峰、ワイナ・ピチュ峰からマチュ・ピチュ峰に連なる尾根の鞍部に立地し、急斜面の段々畑およびヴノカルタ川まで落ちる断崖絶壁に囲まれた立地環境にある。建築様式からインカ時代隆盛期に建築されことはほぼ確かと考えられるが、都市建設や存在に関する記録が全く残っていない。最近の考古学調査の物証および大規模な糧食備蓄機能が存在しない事実から、王の保養地とする説が最も合理的と考えられた。遺跡の中で特に神聖な場所とされる太陽神殿大塔部およびインティワタナの劣化状況の調査を実施し、状況を報告した。マチュ・ピチュ遺跡への交通等の観光概況についても報告した。