著者
森川 美絵
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.355-361, 2009-12

貧困低所得者への社会福祉の支援の中心的制度は,生活保護である.生活保護における相談援助活動の評価には,「自立支援プログラム」の事業評価という次元と,生活保護担当職員による被保護者への個別的な相談援助活動の評価という,2つの次元が存在する.自立支援プログラムは,その数も種類も増加している一方で,多元的な自立支援の効果を測定するための指標が,整備されていない.貧困緩和へのアプローチの鍵となる概念である,参加,帰属,つながり,エンパワメント等の観点から,対象者の状態を把握しうる指標・尺度を適用し,事業の効果を測定することが,求められる.個別的な相談援助活動については,要・被保護者の権利保障という観点から,援助のプロセスそのものの質が問われる.現状では,要・被保護者の主体性の尊重につながる行為が,標準的な活動として定着していない.プロセスごとの「標準的な質を保証するための活動指標」を整備した上で,そうした指標にもとづき援助者自身が定期的に活動を自己点検する機会を確保していくことが,求められる.さらに,地域における包括的な支援・ケアの実現を目指すのであれば,個別の事業や援助者の活動の評価にとどまらず,複数の事業の連携により実現される地域単位の福祉状態を評価する手法や,そこで鍵となる連携やコーディネート機能を評価する手法の開発が,必要とされる.

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