- 著者
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清道 亜都子
- 出版者
- 日本教科教育学会
- 雑誌
- 日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.4, pp.19-28, 2012-03-25
本研究の目的は,高等学校国語教科書における意見文作成教材について,認知心理学的知見を踏まえて分析することである。高等学校国語科の必履修科目(「国語I」,「国語総合」)教科書のうち,昭和60(1985)-62(1987)年度に使用されたもの10社16種類,平成6(1994)-9(1997)年度に使用されたもの10社21種類,平成19(2007)-22(2010)年度に使用されたもの9社22種類を対象として,意見文作成教材を分析した。その結果,(1)解説がプランニング中心で推敲の扱いは少ない,(2)書くことが再帰的プロセスであると示されていない,(3)平成19年度版では,生徒の認知的負担を軽減できるような工夫が多く見られる,という点が明らかとなった。また,教材内容に対して学習指導要領の影響が強いことも窺われた。