- 著者
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清道 亜都子
- 出版者
- 日本教科教育学会
- 雑誌
- 日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.4, pp.31-40, 2010-03-30 (Released:2018-05-08)
本研究の目的は,作文を書いてから一定期間後に推敲すると,書いた直後に推敲するよりも,高校生の作文の質が高まるか,について検討することである,実践1では,高校1年生27名が,作文を書いてから1日後と1ヶ月後に推敲を行った,その結果,1日後の推敲では総文字数や作文の評価にほぼ変化がなかったが,1ヶ月後の推敲では大幅に向上し,内容に関する推敲も多く見られた。また,その効果は,作文の評価が低い者においても確認できた。実践2では,高校3年生30名(うち28名は書くことが苦手と自己評価した者)が1ヶ月後の推敲を行い,総文字数や内容の評価に向上が見られた。以上より,作文を書いてから一定期間後に推敲すると,書いた直後に推敲するよりも高校生の作文の質が高まること,さらに,一定期間後の推敲は,書くことが苦手な者にも有効な指導法であることが示された。