著者
清道 亜都子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.361-371, 2010 (Released:2012-03-07)
参考文献数
28
被引用文献数
8 4

本研究の目的は, 高校生に対する意見文作成指導において, 意見文の「型」(文章の構成及び要素)を提示することの効果を検討することである。高校2年生59名(実験群29名, 対照群30名)が, 教科書教材を読んで意見文を書く際, 実験群には, 意見文の「型」や例文を示して, 書く練習をさせた。その結果, 事後テストでは, 実験群は対照群より文字数が多く, 意見文の要素を満たした文章を書き, 内容の評価も高まった。さらに, 介入1ヶ月後においても効果が確認できた。また, 対照群にも時期をずらして同一の介入指導を行ったところ, 同様の効果が現れた。これらの結果から, 意見文作成指導の際, 意見文の「型」を提示することにより, 高校生の書く文章は量的及び質的に充実したものになることが示された。
著者
清道 亜都子
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.31-40, 2010-03-30 (Released:2018-05-08)

本研究の目的は,作文を書いてから一定期間後に推敲すると,書いた直後に推敲するよりも,高校生の作文の質が高まるか,について検討することである,実践1では,高校1年生27名が,作文を書いてから1日後と1ヶ月後に推敲を行った,その結果,1日後の推敲では総文字数や作文の評価にほぼ変化がなかったが,1ヶ月後の推敲では大幅に向上し,内容に関する推敲も多く見られた。また,その効果は,作文の評価が低い者においても確認できた。実践2では,高校3年生30名(うち28名は書くことが苦手と自己評価した者)が1ヶ月後の推敲を行い,総文字数や内容の評価に向上が見られた。以上より,作文を書いてから一定期間後に推敲すると,書いた直後に推敲するよりも高校生の作文の質が高まること,さらに,一定期間後の推敲は,書くことが苦手な者にも有効な指導法であることが示された。
著者
清道 亜都子
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.19-28, 2012-03-25

本研究の目的は,高等学校国語教科書における意見文作成教材について,認知心理学的知見を踏まえて分析することである。高等学校国語科の必履修科目(「国語I」,「国語総合」)教科書のうち,昭和60(1985)-62(1987)年度に使用されたもの10社16種類,平成6(1994)-9(1997)年度に使用されたもの10社21種類,平成19(2007)-22(2010)年度に使用されたもの9社22種類を対象として,意見文作成教材を分析した。その結果,(1)解説がプランニング中心で推敲の扱いは少ない,(2)書くことが再帰的プロセスであると示されていない,(3)平成19年度版では,生徒の認知的負担を軽減できるような工夫が多く見られる,という点が明らかとなった。また,教材内容に対して学習指導要領の影響が強いことも窺われた。
著者
清道 亜都子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.361-371, 2010-09-30
被引用文献数
4

本研究の目的は,高校生に対する意見文作成指導において,意見文の「型」(文章の構成及び要素)を提示することの効果を検討することである。高校2年生59名(実験群29名,対照群30名)が,教科書教材を読んで意見文を書く際,実験群には,意見文の「型」や例文を示して,書く練習をさせた。その結果,事後テストでは,実験群は対照群より文字数が多く,意見文の要素を満たした文章を書き,内容の評価も高まった。さらに,介入1ヶ月後においても効果が確認できた。また,対照群にも時期をずらして同一の介入指導を行ったところ,同様の効果が現れた。これらの結果から,意見文作成指導の際,意見文の「型」を提示することにより,高校生の書く文章は量的及び質的に充実したものになることが示された。