著者
白砂 寛基 谷口 敬道 杉原 素子
出版者
国際医療福祉大学学会
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.14-22, 2015

経験年数の少ない作業療法士に対して,介入のための視座を与える急性期作業療法の介入戦略の構築を目指し,事例文献の評価項目,介入方針,実施内容について整理,分析することで,現在の急性期作業療法の実態を調査した.調査対象とした日本作業療法士協会事例報告集には583 事例が掲載されており,そのうち身体障害領域の回復状態が急性期の事例は132 事例であったが,介入期間が1 ヵ月以内の事例は19 事例であり,長期的な介入が多かった.19 事例からは,機能改善,早期離床,ADL の改善を基本方針とし,座位訓練や,本人・家族指導,他職種と連携したADL 訓練を行い,その結果,上肢機能やバランス,起居・移乗動作の改善をしているという標準的な急性期作業療法の状態が示されたが,同時に,心身機能だけでなく,入院生活に関わる様々な活動の何ができ,何ができないかという事例に応じた評価・介入がなされていた.急性期作業療法の介入は身体機能に限らず,病院内でできる様々な活動の数を増やすという介入戦略の可能性についての示唆を得た.

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急性期の事例報告集を分析した結果 若手OTにはどう見えるのか? https://t.co/q7M118N9D5
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