著者
高岡 素子
出版者
神戸女学院大学
雑誌
神戸女学院大学論集 (ISSN:03891658)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.157-165, 2014-12

京都にある精進料理店で提供しているメニューについて、日本人の食事摂取基準を参考に栄養解析を行い、精進料理の栄養学的な特徴を明らかにした。ビタミンでは、ビタミンB12およびビタミンDが不足していたが、ミネラル類、食物繊維などに関しては基準値を満たしており、栄養学的評価が高いことが認められた。しかしながら塩分については基準値を超え、過剰であった。また、エネルギー比率では、タンパク質および炭水化物は適正範囲内であったが、脂質エネルギーの比率が高い傾向が認められた。これらの結果から、精進料理店で一般の人に提供されている精進料理は、多くの栄養素の不足が報告されている修行僧の日常食とは異なっていることが明らかとなった。精進料理が我が国において、修行僧だけでなく一般人を対象として発達していく過程において、定められたきまりを守りつつ、よりおいしく、より満足感の得られる形に自然に変化していったと考えられる。

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精進料理って栄養学的にはどやねんろ? いろいろ足りてるんかな?と検索、「いいぞ」「体にいいぞ」「体が生まれ変わるぞー」の大合唱結果の中、京都の精進料理テンメニューを解析したというこの論文の抄録が痛快だった。 https://t.co/TcwWpsLTit

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