著者
打浪 文子
出版者
淑徳大学短期大学部
雑誌
淑徳大学短期大学部研究紀要 = Shukutoku University Junior College bulletin (ISSN:21887438)
巻号頁・発行日
no.54, pp.105-120, 2015

本稿では、軽度から中度の知的障害者16名に対して、通信機能を持つ情報機器(PC及び携帯電話)の利用状況及びその具体的様相を把握し課題を析出するために、半構造化面接法による聞き取り調査を実施した。調査結果から、知的障害者のPC利用は自由に利用できる少数と利用環境の整わない多数に二分されることを明らかにした。また携帯電話は対象者全員に利用経験があり、情報伝達や支援代替的なツールとして活用されていること、通話以外の固有機能も幅広く利用されていることを明らかにした。健常者社会との情報格差を減らし彼らの社会参加を促進するために、技能習得の機会の拡大、知的障害者が「利用しやすい」ことに着目した情報機器の活用方法の検討、公的な知的障害者向けの情報支援施策の展開、当事者・家族・支援者への意識啓発が今後の社会的課題である。

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