- 著者
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白鳥 圭志
- 出版者
- 社会経済史学会
- 雑誌
- 社會經濟史學 (ISSN:00380113)
- 巻号頁・発行日
- vol.81, no.1, pp.95-110, 2015-05-25
高度成長期の拓銀は都市銀行他行に追いつくべく強度な上昇志向を示した。しかし,エネルギー革命による道内産業の衰退もあり,1960年代半ば以降,本州内で六大銀行型経営の実現を目指した。しかし,既に拓銀が大企業向けの貸出市場に参入する余地はなく,結果的に首都圏の中小企業金融機関化した。また,預金中心の業容拡大は,特に70年代前半には恒常的な遊資体質をもたらした。ここに80年代の経営行動の歴史的前提条件が形成された。