著者
泉川 晴紀 花野 博司 石川 雄一 岡田 宏 小野 智弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.401, pp.59-64, 2015-01-22

筆者らは,スマートフォン上におけるクーポン配信と,プッシュメディアとしての移動体デジタルサイネージを組み合わせたO2O(Online-to-offline)サービスを検討している.具体的には,ユーザに対し,バス・電車等に設置した移動体デジタルサイネージによりクーポンの存在を告知してスマートフォン上のクーポン取得へと誘導し,広告配信元店舗へ送客するサービスである.この際,コンバージョンとなる,どの程度のユーザが期待した行動,つまり購買行動を行ったかを把握することがサービスの効果を定量的に評価する上で必要となる.そこで,本稿では,ユーザの購買行動の実施を,セルラ情報を用いて推定する手法を報告する.本手法は,クーポンの利用-スマートフォン画面上でのクーポンの表示やクーポンの電子的なモギリなど-の場所毎の割合が,誤利用を考慮しても対象店舗の場所で多くなるという仮説に基づき,クーポン利用時に収集した,場所毎に特徴を有するセルラ情報(基地局識別子や電波強度等)をクラスタリングし,クラスタサイズが大きいクラスタに分類されたセルラ情報を有するクーポン利用をコンバージョンと推定するものである.なお,本手法では,事前に対象店舗でのセルラ情報を収集する必要がない.初期評価の結果,誤利用場所が店舗より500m以上離れていれば,正しくコンバージョンを推定できることが分かった.

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