著者
栁瀨 幸紀 石川 雄一 酒井 潤一
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.329-332, 2014-05-15 (Released:2014-12-13)
参考文献数
5
被引用文献数
1

本研究は保温材下模擬環境における炭素鋼の腐食に及ぼす金属表面温度と濡れ時間の影響を明らかにすることを目的として行った.試料には炭素鋼SS400を用いた.保温材下模擬腐食試験は40℃~200℃の種々の温度に加熱したプレートヒーター上に試料を乗せ,その上にケイ酸カルシウム保温材を乗せ,その保温材に水分を注水することで行った.また,ACMセンサーを用いて保温材下模擬環境における金属表面の濡れ時間の推定を行った.試験の結果,金属表面温度が100℃以上では発錆が認められなかった.また,40℃~90℃では局所的に発錆が見られ,その侵食深さは温度の低下に伴い深くなった.これは,ACMセンサーによる保温材下金属表面の濡れ時間測定結果およびアレニウスの式による温度と腐食速度の関係より,温度の増大に比して濡れ時間の影響が大きいためであることが明らかになった.
著者
山神 眞一 石川 雄一 境 英俊 藤原 章司 阿部 純也 宮本 賢作 長野 智香
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.13-23, 2005-03-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
30

A study was conducted to investigate the influence of kendo exercise on the bone mineral density in male and female university kendo athletes. The subjects were 45 male university kendo athletes and 23 female university kendo athletes. They had an average kendo experience of 13.2 years and 10.0 years. Measurements were performed using an AOS100 (ALOKA Corp.). We measured the speed of sound (SOS), transmission index (TI), and osteo sonoassessment index (OSI). The mean values of SOS, TI, and OSI in male and female university kendo athletes were higher than in the same aged control group and the peak bone mass aged control group.The values of the left heel were significantly higher than that of the right heel in bone mineral density. Body weight was significantly related to bone mineral density in male and female university kendo athletes. These results suggest that regular kendo exercise during youth is effective for the increase in bone mineral density.
著者
石川 雄一
出版者
公益社団法人 電気化学会
雑誌
Electrochemistry (ISSN:13443542)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.150-155, 2005-02-05 (Released:2019-06-01)
参考文献数
10
被引用文献数
1 3
著者
石川 雄一
出版者
大阪商業大学比較地域研究所
雑誌
Milepost (ISSN:13446010)
巻号頁・発行日
no.39, pp.1-5, 2022-01-15
著者
石川 雄一 一ノ瀬 泉 西見 大成 塚本 真司 国武 豊喜
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.10, pp.1065-1071, 1990-10-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
25

親水基として環状ポリアミン(cyclam)を有する不斉両親媒性化合物(2C16AspC11N4,2C12Glu.AzoC1014N4,C12AzoCn14N4)およびその金属錯体の二分子膜形成能と膜特性を,電子顕微鏡による形態観察,示差走査熱量計によるゲル-液晶相転移の測定,さらに円二色性スペクトルによる分子配向の評価から明らかにした。cyclam型二分子膜,その金属錯体膜,および対応するアンモニウム塩型.二分子膜の膜組織化能は親水基構造に依存し,Cu2+錯体≦Ni2+Zn2+錯体≦14N42H+<-N+(CH3)3の順で,より発達した二分子膜(高度な秩序性,相転移の大きな協同性,安定な会合形態)を与えた。錯体膜および配位子膜の自己組織性は疎水鎖の構造にも依存し,C12AlaAzoCn<2C12Glu.・AzoC102C16AspC11-の1頂に膜の組織性が向上した。また,一本鎖型化合物のcyclam金属錯体が二分子膜を形成するためには,C6以上のスペーサーの長さが必要であった。
著者
星 尚志 伊藤 義浩 石川 雄一 南川 敦宣
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.554-561, 2018-06-27

近年,小規模な店舗の店舗内における店員のオペレーションの効率化ニーズが高まっており,店員一人ひとりの行動を,様々なセンサを利用した屋内測位技術を利用して把握する試みが広がりつつある.この内,カメラ映像を利用する方式は人物位置を正確に追跡できる方式として特に利用が進んでおり,映像中の店員を識別(同定)する方式として,従来主に (A) 店員に BLE 受信機を所持させ,そのビーコンからの電波受信情報を用いる方式と,(B) 加速度センサを保持させ,その計測値を用いる方式が提案されてきた.しかし (A) は電波受信強度が安定しない移動時において,(B) は加速度の時間変動が小さい静止時において,それぞれ人物識別精度が劣化する課題があった.また,客も含め多数の人物が店内に存在する状況では,複数人物が近い場所に静止している場合や,複数人物が類似した移動をする場合があり,こうしたケースでは (A) (B) 共に人物同定精度が劣化していた.そこで本論文では,映像中の人物動線を静止動線と移動動線に分類し,加速度での人物識別が困難な静止動線は BLE ビーコンの受信情報を利用し,移動動線は店員の計測加速度から算出した速度変化を用いて店員を同定する手法を提案する.これにより,電波強度の安定する静止動線と,加速度の大きな時間変動を計測できる移動動線の双方で精度の高い人物同定が可能となる.提案手法はさらに,人物動線の座標と BLE ビーコン受信情報を基に同定対象とする候補店員を絞り込むことで,多数の人物が店内に存在する状況での人物同定精度劣化も抑制する.実店舗における評価では 4 店舗 275 分間の映像データに対して,既存方式を上回る Precision 80.1%,Recall 72.6% の精度が得られた.
著者
藤井 奈穂子 小野 玲 米田 稔彦 篠原 英記 中田 康夫 長尾 徹 石川 雄一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.E0241, 2005

【目的】 現在高齢社会である日本では、今後さらに高齢者人口の増加・総人口の減少により平成27年には超高齢化社会に入ることが予測されている。この中で老後の時間をいかに過ごし、いかに生活の質(Quality of Life:QOL)を向上させるかということが重要になる。高齢者のQOLに影響を与える因子としては家族構成・友人関係・健康状態・身体活動習慣等が報告されており、周囲との関わりや活動への参加がQOLの向上に深く関わっていると考えられているが、QOLの概念を細分化し余暇活動習慣との関連を検討した報告は少ない。本研究の目的は地域高齢者の余暇活動の実施状況を把握し、余暇活動とQOLとの関連を検討することである。<BR>【方法】 対象は大阪市内の2ヶ所の老人福祉センター利用者で、質問紙調査に参加した132名(平均72歳、女性96名、男性36名)とした。調査内容は余暇活動の実施状況として活動内容と頻度、QOLを細分化し抑うつ度としてZung Self-Rating Depression Scale(SDS)得点、生活満足度としてLife Satisfaction Index-Z(LSI-Z)得点、健康関連QOLとしてEuroQoL(EQ-5D)効用値である。解析は週1回以上余暇活動を実施している群(実施群)と、週1回未満または実施していない群(非実施群)に分け、各群とSDS・LSI-Z・EQ-5Dとの関連にMann-WhitneyのU検定を用い、活動内容(種目)とSDS・LSI-Z・EQ-5Dとの関連にKruskal-Wallis検定を用いた。危険率は5%未満を有意とした。<BR>【結果】 132名中71名が何らかの余暇活動を1週間に1回以上の頻度で実施していた。実施・非実施の比較では、実施群の抑うつ度が有意に低く、生活満足度が有意に高かったが、健康関連QOLについて有意差を認めなかった。実施者の多かった活動種目は「ダンス」・「歩行」・「卓球」・「グラウンドゴルフ/ゲートボール」で、これらの種目間について抑うつ度、生活満足度、健康関連QOLの比較では有意差は認められなかった。<BR>【考察】 抑うつ度は不安等の精神面の状態を示し、生活満足度は主観的幸福感を示すもので生きがいや幸福といった広義のQOLに含まれる概念である。健康関連QOLは身体機能に起因し医療行為に影響される領域に限定された概念である。本研究の結果より定期的な余暇活動習慣の有無は身体機能との関連よりも精神面での満足感との関連が強いことが明らかとなり、余暇活動の習慣化が精神面および主観的幸福感を良好にすると考えられた。また実施者の多かった活動種目として、高齢者にとって実施しやすい活動や老人福祉センターで実施されている種目があがっており、地域高齢者の身体活動動習慣における老人福祉センターの役割の重要性がうかがわれた。
著者
石川 雄一
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.277-292, 1991-09-30 (Released:2017-05-19)
被引用文献数
2

大都市圏内部で生じた中心市からの人口・産業の分散現象については, 「郊外化」ということで近年, 研究が進んでいる. しかし, 大都市圏に隣接する周辺地帯においても, 「郊外化」と同じ現象, もしくはそれに類似する現象が生じてきた. そこで本稿では, 京阪神大都市圏をとりまく周辺地帯における1965〜85年にかけての通勤流動の変化とこの地帯の社会・経済的構造を検討し, 中心市から同一距離帯で設定したこれら地帯において生じている現象を考察した. その結果, 大都市圏内部に隣接する地帯では, 通勤流・動や社会経済構造の点で大都市圏内部と類似した現象が生じ, 外延的な「郊外化」の進展がみられた. つぎに外縁部のうち交通条件のよい地区では, 社会経済構造上, 初期の「郊外化」と類似した動きがみられたが, 通勤流動の点で大都市圏内部との関係が弱く, また外縁部のうち山間地区は, 人口・産業の点において成長を示さなかった.
著者
石川 雄一
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.387-414, 1996-06-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
32
被引用文献数
2 6

本稿では,郊外化がいち早く進展した京阪神大都市圏において,多核化へ向けてどのような動向が考えられるのかを,都心域と郊外核間の特性比較に焦点をあてて検討した.核の特性分析には,核の詳細な就業構造や多様な流動パターンを示すデータと,都市域よりも小地域単位のデータの利用が有効である.そこでこうした指標が利用可能なパーソントリップ調査を分析資料として,核の抽出と機能分類および交通利用パターン,核の勢力圏構造を検討した. 現段階では,京阪神大都市圏にはアメリカ合衆国にみられるような都心域を凌駕する郊外核成長の動向はみられないが,消費活動では階層構造的な「補完的多核化」が進展していることがわかった.そして就業活動では,弱い「補完的多核化」の兆しを示したが,機能的に都心域と類似した郊外核の成長はごくわずかであった.また女子就業構造・交通利用パターンにおいても,都心域と郊外核では異なる特色を示した.
著者
面田 真孝 大鹿 泰造 酒井 潤一 石川 雄一
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.358-365, 2008-08-15 (Released:2009-03-17)
参考文献数
24
被引用文献数
1 3

加硫ゴムから放出される硫黄ガス種による銀の微小硫化腐食に影響を与える腐食要因をQCM法,定電流カソード還元法を用いて調べた.同定できた腐食生成物は,Ag2Sのみであった.また,腐食は時間と共に線形で進行し,腐食速度は温度,ゴムの体積には依存するが,相対湿度には依存しなかった.さらに腐食速度は,ゴムの種類により異なる上,同一のクロロプレンゴム間で比較しても製品により異なることを明らかにした.これらから,加硫ゴムによる銀の腐食挙動は,ゴム中の遊離硫黄を発生源とする硫黄ガスにより決定されるものと考えられる.そして,硫黄ガスのアウトガスはゴム中の遊離硫黄分子Sx(x=2~8)の拡散が支配し,この拡散過程が銀の腐食速度を決定しているものと推察される.
著者
中田 康夫 田村 由美 澁谷 幸 平野 由美 山本 直美 森下 昌代 石川 雄一 津田 紀子
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13413430)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.27-32, 2003
被引用文献数
1

本研究は、基礎看護実習Iの実習日誌として学生に課した2002年度および2001年度のリフレクティフシャーナル(以下、RJ)の内容を分析検討し、RJにおけるリフレクションに必須なスキル(以下、リフレクティフなスキル)の活用状況を明らかにするとともに、リフレクティフなスキルの修得促進のためのRJの早期導入の意義について検討することを目的とした。両年度の相違は、2002年度は基礎看護実習Iに先行して開講している演習に演習日誌としてRJを導入したが、2001年度は演習にRJを導入していないことてある。2002年度の実習期間中に毎日提出された64名のRJにおいて、リフレクションの必須スキルが活用されているかどうかについて、各々の定義をもとに詳細に分析・検討を行い、2001年度の58名のそれと比較した。その結果、「自己への気付き」のスキルの活用が、5日間のRJのうち少なくとも1日分のRJにおいてみられた学生の割合は155%から344%へ増加し、また、「分析」のスキルの活用がRJ上でなされていると判断できた学生の割合はO%たったものが14.1%認められた。一方、「記述描写」のスキルの活用がRJ上でなされていると判断てきた学生は、両年度とも全員であり、相違は認められなかった。以上のことから、RJの早期導入は、学生のリフレクティフなスキルの活用修得をより促進することが示唆された。したがって、実践的思考能力育成のためにも看護基礎教育においてRJを早期に導入することは意義があると考えられた。
著者
泉川 晴紀 花野 博司 石川 雄一 岡田 宏 小野 智弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.401, pp.59-64, 2015-01-22

筆者らは,スマートフォン上におけるクーポン配信と,プッシュメディアとしての移動体デジタルサイネージを組み合わせたO2O(Online-to-offline)サービスを検討している.具体的には,ユーザに対し,バス・電車等に設置した移動体デジタルサイネージによりクーポンの存在を告知してスマートフォン上のクーポン取得へと誘導し,広告配信元店舗へ送客するサービスである.この際,コンバージョンとなる,どの程度のユーザが期待した行動,つまり購買行動を行ったかを把握することがサービスの効果を定量的に評価する上で必要となる.そこで,本稿では,ユーザの購買行動の実施を,セルラ情報を用いて推定する手法を報告する.本手法は,クーポンの利用-スマートフォン画面上でのクーポンの表示やクーポンの電子的なモギリなど-の場所毎の割合が,誤利用を考慮しても対象店舗の場所で多くなるという仮説に基づき,クーポン利用時に収集した,場所毎に特徴を有するセルラ情報(基地局識別子や電波強度等)をクラスタリングし,クラスタサイズが大きいクラスタに分類されたセルラ情報を有するクーポン利用をコンバージョンと推定するものである.なお,本手法では,事前に対象店舗でのセルラ情報を収集する必要がない.初期評価の結果,誤利用場所が店舗より500m以上離れていれば,正しくコンバージョンを推定できることが分かった.
著者
石川 雄一
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.1947-1953, 1986-11-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

It has been said that the internal gears have a higher surface durability as compared with the external gears. Nevertheless, experimental study on the load capacity of internal gears has been extremely few. In the present paper, a new type of four square internal gears running test machine has been developed for investigating the load capacity of internal gear pairs experimentally. And some experiments on the conventional involute tooth profile internal gears have been performed by this testing machine. It is confirmed from these experimental results that the fatigue strength of internal gears increases remarkably with increasing the surface hardness of the internal gear by heat treatment.
著者
中田 康夫 田村 由美 藤原 由佳 森下 晶代 平野 由美 石川 雄一 津田 紀子
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13413430)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.131-136, 2002
被引用文献数
1

本研究は、基礎看護学実習Iの実習日誌として学生に課したリフレクティブジャーナル(以下、RJ)の内容を分析・検討し、RJにおけるリフレクションに必須なスキル(以下、リフレクティブなスキル)の活用の有無を明らかにするとともに、RJがリフレクティブなスキルの修得に効果があるかどうか検討することを目的とした。実習期間中に毎日提出された58名のRJにおいて、リフレクションの必須スキルと考えられている「自己への気付き」のスキルおよび「記述・描写」のスキルが活用されているかどうかについて、各々の定義をもとに詳細に分析・検討を行った。その結果、「記述・描写」のスキルの活用が、5日間のRJのうち少なくとも1日分のRJにおいてみられた学生は全員であったが、「自己への気付き」のスキルを活用のそれについては15.5%であった。以上のことから、実習日誌としてのRJはリフレクティブなスキルのうち「記述・描写」のスキルの活用・修得を促し、なおかつ「自己への気付き」のスキルの活用・修得を促進する1つの方法になり得ることが示唆された。したがって、実践的思考能力に必要不可欠であると考えられているリフレクティブなスキルの修得のために、基礎看護学実習1においてRJを導入することは意義あるものと考えられた。
著者
吉川 慎一 金 泰正 吉田 哲也 米瀬 淳二 泉谷 敏文 福井 巌 石川 雄一
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.89, no.9, pp.788-791, 1998-09-20
被引用文献数
2

症例は44歳,男性.尿閉を主訴に某院に入院.CTにて膀胱内に突出する前立腺部腫瘤が経尿道的生検にて移行上皮癌(TCC)と判明し紹介された.初診時,陰茎は半勃起状態,全周性に弾性硬で自発痛と高度な圧痛を伴いpriapismと診断した.陰茎海綿体針生検を施行し,前立腺移行上皮癌T4N0M1(陰茎転移)と診断した.4者併用化学療法(IFEP療法)を2コース施行し,平成9年1月30日膀胱全摘術・陰茎全摘術及び回腸導管造設術を施行した.病理学的には前立腺浸潤と陰茎海綿体及び右閉鎖リンパ節転移を伴う膀胱原発の移行上皮癌で,前立腺の腫大は主に腺性過形成によるもので異型性過形成を伴っていた.