著者
黒川 茂莉 石塚 宏紀 渡邊 孝文 村松 茂樹 小野 智弘 金杉 洋 関本 義秀 柴崎 亮介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.18, pp.1-6, 2014-05-08

携帯電話通信時の位置情報履歴は,全国を網羅的に人々の移動が把握可能であるため,都市交通施策などへの応用が期待されている.都市交通施策のあり方を検討するために国士交通省を始め各自治体で実施されているパーソントリップ調査では,人々の滞在地,滞在時間だけでなく滞在目的も重要な調査項目となるが,滞在目的推定の研究はいまだ不十分である.そこで本稿では,携帯電話通信時の位置情報履歴から,個人の滞在地及び滞在時間を検出し,自宅,職場,お出かけ先などの各滞在地に対する滞在目的を推定する手法を評価する.評価では,利用同意を得た 1250 名の 4 週間の位置情報履歴と行動に関する Web アンケート結果を用いた.Location information associated with communication records of mobile phones has paid attention as a probe for person trips. In this paper, we evaluate a methodology to estimate semantics of significant places extracted from locations associated with communication records. The accuracy of the methodology is demonstrated by experiments using actual communication records of 1250 subjects.
著者
池田 和史 服部 元 松本 一則 小野 智弘 東野 輝夫
雑誌
情報処理学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21865728)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.82-93, 2012-03-21

近年,TwitterのようなブログやWeb掲示板などに投稿された商品やテレビ番組などに対する口コミ情報を分析してマーケティングなどに応用する評判解析技術に注目が集まっている.これらは手軽に情報発信することが可能なため,新鮮かつ多数の意見を即座に収集するツールとして,その活用は大きな可能性を持っている.一方で,評判は投稿者の年齢や性別,趣味などのプロフィールに応じて異なることが多いが,ブログや掲示板には投稿者の年齢や性別が記載されていない場合が多く,投稿数や平均的な意見などの表面的な情報しか抽出できず,プロフィールごとの意見を抽出できないことが課題であった.この問題を解決するため,著者らはTwitter上の口コミ投稿者の日常的な投稿内容を解析することで,年代,性別,居住地域などのプロフィールを推定する技術を開発した.本技術を利用することで,ネット上の口コミ情報をプロフィールごとに分類,集約することが可能となり,商品の改善やテレビ番組の企画などに生かすことが可能となる.性能評価実験の結果,提案手法の汎用的な推定精度は性別で88.0%,年代で68.0%,居住地域で70.8%であり,視聴率測定などへの応用を想定したプロフィール分布誤差の評価では,分布に偏りがある場合でも性別で8.8%,年代で12.4%,居住地で14.0%と実利用に十分な精度であることが示された.
著者
武吉 朋也 帆足 啓一郎 松本 一則 小野 智弘
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.2841-2853, 2012-12-15

インターネットの普及により,一般ユーザでもオンラインでのディスカッションを容易に行えるようになった.このような状況下では,多数存在するディスカッションのそれぞれについて,どの程度円滑に進行しているのか数値化することがユーザ,およびディスカッションサイトの管理者双方にとって必要である.そこで本稿では,ディスカッションの円滑な進行に寄与すると人間が感じる発言のディスカッション全体に占める割合を健全度と定義し,ディスカッションのデータから単純集計により取得可能な参加人数や発言間の時間間隔等の表層的特徴量と,ディスカッションの内容を表す単語の重要度からなるテキスト特徴に基づいて,ディスカッションの健全度を定量化する手法を提案する.人手で付与した健全度に応じてディスカッションに健全,半分程度が荒れ,荒れの3つのラベルを設定し,提案手法によるラベル予測の精度を評価した結果,テキスト特徴のみに基づく分類手法よりもF値が上回ることを確認した.これにより,本稿で述べる提案手法は健全度が高いディスカッションをユーザに提示し,参加を促すといった利用シーンへの適用が期待できる.The spread of online community sites such as social networking services has made it possible for common users to conduct discussions online. The rapid increase of such online discussions has aroused the demand of technologies to automatically present lively and exciting online discussions to the user, and also to detect "flamed" discussions to the service providers to prevent unnecessary collisions between users. This research proposes a novel method to quantify the soundness of online discussion based on simple surface and textual features extracted from online discussions. The features used by the proposed method needs neither a large-scale dictionary nor advanced text analysis. In addition, the features are generic, thus extractable from any type of online discussion. Our proposed method achieved higher F-measure for the classification of "sound" and "flamed" online discussions than typical text classification methods using term features, proving the effectiveness to select such discussions to system users.
著者
石塚 宏紀 上坂 大輔 黒川 茂莉 渡邉 孝文 村松 茂樹 小野 智弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.21, pp.1-6, 2014-05-08

低消費電力で動作する Bluetooth の規格である BLE(Bluetooth Low Energy) の登場により安価でのセンサ環境構築の可能性が広がってきた.また,各種既製スマートフォンにおいて BLE 規格の通信プロトコルが実装されつつあり,電池消費を実用可能な範囲にて既製のスマートフォンと通信可能な点も大いに注目されている.屋内位置測位の分野においても屋内環境に設置された複数 BLE デバイスから発せられるシグナルをスマートフオンが受信することによって屋内における端末の位置を同定可能であることから期待を集めている.しなしながら,BLE デバイスによる測位技術は,実機の登場から間もないこともあり実環境における特性を十分に検証する実験や性能評価に関する情報がなく,人体の電波吸収による減衰,障害物による電波の反射,近接に設置された BLE デバイス同士の電波干渉の影響について未だ未開拓の部分が多々あり,実用化に向けた検証が急がれている.そこで我々は,BLE シグナルによる屋内測位における基礎実験を自社施設内で実施した.さらに OBFT(Open Beacon Field Trial) によって開催された BLE デバイスの実証実験に参加し,展示会場に密に設置された BLE デバイスにおいて約 50 名の被験者に BLE シグナルの受信状況を測定する実験を行った.本稿では,各種実験から明らかとなった BLE シグナルの屋内測位利用における課題について実験結果を踏まえて述べた後に,BLE シグナルによる測位と端末センサを利用した相対位置測位技術である PDR(Pedestrian Dead Reckoning) を組み合わせたのハイブリッド屋内側位手法の基礎検討について述べる.An appearance of BLE (Bluetooth Low Energy) raises expectations of realizing sensor environments with low cost. A release of a few BLE compatible smartphones increases the feasibility. Especially in fields of indoor localization, measuring signals from BLE devices is expected to assist indoor localization. However, characteristics of the signals in real fields have not been evaluated enough. Therefore, we conducted experimental trials in real fields (an in-house trial and Open Beacon Field Trial). We show problems we found in the experiments and discuss a hybrid localization with PDR (Pedestrian Dead Reckoning).
著者
麻生 英樹 高崎 晴夫 小野 智弘 土生 由希子 竹中 毅 本村 陽一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J95-D, no.4, pp.846-854, 2012-04-01

推薦などの個人化サービスでは,ユーザの購買履歴やWeb閲覧履歴等のライフログ情報を利用してユーザの嗜好等を推定し,個々のユーザに適応したサービスを実現している.システムが自分の購買履歴等の情報を収集・利用することについて,漠然とした懸念を感じているユーザも多く,米国を中心とした調査では,インターネット上のプライバシーに関する懸念がサービスの利用意向に負の影響を与えることが示されている.我々は,ライフログ等のパーソナルな情報を利用する個人化情報サービスの利用意向とパーソナル情報の二次利用の受容性に関する大規模なインターネット調査を実施した.調査においては,様々な属性をもつ模擬サービスを60種類構築し,4,000名を超える被験者に対してサービスを体験してもらった後にアンケートを行った.本論文では,そこで得られたデータに構造方程式モデリングを適用して,推薦サービスの利用意向に影響を与える因子の分析を行った結果について報告する.
著者
中澤昌美 帆足啓一郎 小野智弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
一般社団法人情報処理学会,第3回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム
巻号頁・発行日
pp.517-519, 2001
被引用文献数
1

テレビ番組放送中に発信されたハッシュタグ付きのTweet数変化から、視聴者における盛り上がりを自動検出し、そのシーンに対しイベントタグを付与する手法を提案する。本稿では、プロ野球を対象とした実験及び評価を行う。具体的には、各チームのハッシュタグ付きのTweetを収集し、Tweet数の増減から盛り上がりを検出する。また、盛り上がり時のTweetから重要語抽出を行うことで、盛り上がりの各シーンで主役となった人物とその内容を推定する。さらに、対象チームにおいてそのイベント内容がポジティブかネガティブかを自動判定する手法を提案する。
著者
小野 智弘 本村 陽一 麻生 英樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.111, pp.79-84, 2005-11-15
被引用文献数
3

近年の情報やコンテンツの爆発的な増大およびユーザニーズの多様化に伴い,ユーザが欲する情報の選択を支援する推薦システムへの要求が益々高まっている.映画鑑賞の場合,家族と観るか恋人と観るか,元気であるか沈んでいるか等,状況や気分に応じてユーザの嗜好は変化する.これまでの推薦方式はユーザの履歴情報やプロファイル,コンテンツの特徴に基づいて推薦を行う方式が主流でユーザの状況に関わらず同じ結果となってしまう.一方場所などの状況に基づいて推薦候補を絞りこむ方式も提案されているが同一の状況に対してはどのユーザにも同じコンテンツが推薦されてしまう.筆者らはこれらの問題を解決するためにユーザの履歴やプロファイル等の情報と気分や場所などの状況の依存関係をベイジアンネットにより表現し,個人差と状況に応じて最適なコンテンツを推薦する方式の研究を行っており,本発表ではこの経過を報告する.With the flood of various information and contents through the Internet, the need for recommendation systems that assist users in finding the information they desire is increasing. In case of movie recommendation, user preference may change according to his situation such as mood and location etc.. Existing approaches which use user profiles and/or histories are insufficient as they provide the same results regardless of users' situation. Context-aware methods such as location-based services are neither sufficient as they cannot provide personalized recommendation. In this paper we propose a recommendation system which achieves context-aware personalized recommendation based on Bayesian network by making use of various information related to user profiles, histories, situations, and content attributes.
著者
麻生 英樹 小野 智弘 本村 陽一 黒川 茂莉 櫻井 彰人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.279, pp.55-59, 2006-10-04
被引用文献数
4

ネットワーク上に存在する、誰もが簡単にアクセス可能な電子化された情報の量が爆発的に増加するにつれ、それらの情報の中から、ユーザが必要とするものを必要なときに適切に提供するための技術である情報検索および推薦の必要性が非常に高まっている。適切な推薦を行うためには、システムがユーザの嗜好やニーズを適切にモデル化する必要がある。そのための技術として、多くのユーザの過去の履歴の関連性を利用する協調フィルタリングと、対象となるコンテンツの属性とユーザの評価の関連性を利用するコンテンツベースフィルタリング、ユーザの属性とユーザの評価の関連性を利用するデモグラフィックフィルタリング、などが提案されているが、いずれも、推薦に利用できる情報の一部しか用いていないという問題点がある。本報告では、この問題点について検討し、既存の研究を整理しながら紹介するとともに、推薦に利用できる各種の情報を統合的に用いる新たな推薦方式を提案する。
著者
池田 和史 柳原 正 服部 元 松本 一則 小野 智弘 滝嶋 康弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.2474-2483, 2011-08-15
被引用文献数
2

本稿では高速かつ高精度に有害サイトを検出するため, Webサイトの背景色やリンク先, ブラウザに特定の動作をさせるスクリプトなど, 有害サイトに特徴的に見られる傾向をHTML要素から検出する手法を提案する. 提案手法では有害サイトのHTMLに偏って出現するような文字列を自動的に抽出し, SVM(Support Vector Machine)を用いてこれらの特徴を組み合わせて有害サイトの検出を行う. 提案手法はWebサイトの本文の情報を利用しないため, 既存のキーワードベース方式によって検出が困難なサイトも検出が可能である. このため, 既存のキーワードベース方式と組み合わせて利用することで検出精度を向上させることも可能である. 大規模なWebサイトデータを用いた性能評価実験を行い, 既存のキーワードベース方式と比較して, 適合率を9.3ポイント向上するなどの性能向上を確認した.In this paper, we propose high-speed and accurate algorithms for detecting malicious Web pages. Our algorithms detect the features of malicious Web pages from their HTML elements such as the background colors of Web pages, the server names related to malicious Web pages, or the name of javascript functions that makes browsers perform unusual actions in response to malicious Web pages. Strings that appear especially in HTML elements of malicious Web pages are automatically chosen. SVMs (Support Vector Machines) combine these strings and detect malicious Web pages. Since our algorithms do not rely on the text parts of Web pages, they can detect Web pages that existing text-based algorithms have difficulty in detecting. By conducting a large-scale performance evaluation with real malicious Web pages, we showed that the hybrid algorithms of our algorithms and existing text-based algorithms increase the precision of existing text-based algorithms alone by 9.3 points.
著者
石先広海 舟澤慎太郎 帆足啓一郎 小野 智弘 甲藤二郎
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1263-1274, 2013-04-15

本研究ではユーザが入力した楽曲に対して,楽曲の歌詞に基づいて検索したWeb画像と楽曲を同期させて再生するスライドショー生成システムについて提案する.楽曲歌詞の内容に適した画像を楽曲と同期させて再生することで,楽曲の情景表現を向上させ,より印象深い音楽体験の実現を目指す.具体的には,歌詞中の単語と,歌詞から推定した全体印象語から最適な画像検索クエリを抽出し,表示候補となる画像をWeb上から取得する.取得した画像に付与されているソーシャルタグと全体印象語の適合度を用いることで,歌詞の各行と連動して表示させる画像を選定する.さらに,歌詞の各行を表示する時間の最頻値を利用してスライドショー再生時の画像切替えを自動化する.最終的に,被験者評価実験により本システムの有効性を示す.
著者
石先広海 舟澤慎太郎 帆足啓一郎 小野 智弘 甲藤二郎
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1263-1274, 2013-04-15

本研究ではユーザが入力した楽曲に対して,楽曲の歌詞に基づいて検索したWeb画像と楽曲を同期させて再生するスライドショー生成システムについて提案する.楽曲歌詞の内容に適した画像を楽曲と同期させて再生することで,楽曲の情景表現を向上させ,より印象深い音楽体験の実現を目指す.具体的には,歌詞中の単語と,歌詞から推定した全体印象語から最適な画像検索クエリを抽出し,表示候補となる画像をWeb上から取得する.取得した画像に付与されているソーシャルタグと全体印象語の適合度を用いることで,歌詞の各行と連動して表示させる画像を選定する.さらに,歌詞の各行を表示する時間の最頻値を利用してスライドショー再生時の画像切替えを自動化する.最終的に,被験者評価実験により本システムの有効性を示す.In this paper, we propose a system to generate slide shows for music which users selected, by utilizing Web images retrieved by queries constructed from song lyrics. The proposed system aims to provide new and impressive user experiences by using synchronized Web images with lyrics line. First, we propose a method to select images to compose the slideshow from the result of Web image retrieval based on queries extracted from lyrics. The system selects matched images with the whole impression of lyrics and removes images which have many social tags not related to the image content. Furthermore, we propose a method to adjust presentation periods of the images in the slides. Finally, subjective experiments are conducted to evaluate effectiveness of our system.
著者
泉川 晴紀 花野 博司 石川 雄一 岡田 宏 小野 智弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.401, pp.59-64, 2015-01-22

筆者らは,スマートフォン上におけるクーポン配信と,プッシュメディアとしての移動体デジタルサイネージを組み合わせたO2O(Online-to-offline)サービスを検討している.具体的には,ユーザに対し,バス・電車等に設置した移動体デジタルサイネージによりクーポンの存在を告知してスマートフォン上のクーポン取得へと誘導し,広告配信元店舗へ送客するサービスである.この際,コンバージョンとなる,どの程度のユーザが期待した行動,つまり購買行動を行ったかを把握することがサービスの効果を定量的に評価する上で必要となる.そこで,本稿では,ユーザの購買行動の実施を,セルラ情報を用いて推定する手法を報告する.本手法は,クーポンの利用-スマートフォン画面上でのクーポンの表示やクーポンの電子的なモギリなど-の場所毎の割合が,誤利用を考慮しても対象店舗の場所で多くなるという仮説に基づき,クーポン利用時に収集した,場所毎に特徴を有するセルラ情報(基地局識別子や電波強度等)をクラスタリングし,クラスタサイズが大きいクラスタに分類されたセルラ情報を有するクーポン利用をコンバージョンと推定するものである.なお,本手法では,事前に対象店舗でのセルラ情報を収集する必要がない.初期評価の結果,誤利用場所が店舗より500m以上離れていれば,正しくコンバージョンを推定できることが分かった.
著者
石先 広海 Herring Susan C. 服部 元 小野 智弘 滝嶋 康弘
出版者
FIT(電子情報通信学会・情報処理学会)運営委員会
雑誌
情報科学技術フォーラム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.47-52, 2013-08-20

We analyze user behavior on SoundCloud.com, a web-based music distribution site, using the methodology of computer-mediated discourse analysis. The broad goal is to infer patterns of use that can inform the development of methods to facilitate communication among online users. In order to achieve this goal, we analyze SoundCloud comments and identify site design features that facilitate users' actions, using speech act analysis and dynamic topic analysis. We address two research questions: What are the most common communicative acts on the music distribution site, and which commenting function of the site contributes most to facilitating interactive commenting? Results of speech act analysis show that 56% of comments are REACT which means site users mostly react to the song in short, simple comments. Additionally the users tend to be more interactive when using the timed comment function, which appear below the song waveform, provided by the site. Dynamic topic analysis reveals that the structure of regular comments, made on the song as a whole, shows prompt focused such as blog comment, and structure of timed comments shows sequential threads are more interactive as is the case in chatting. These findings indicate that comments which focus on particular part of the song have possibility to facilitate user's interactive comments.
著者
黒川 茂莉 石塚 宏紀 渡邊 孝文 村松 茂樹 小野 智弘 金杉 洋 関本 義秀 柴崎 亮介
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2014-MBL-71, no.18, pp.1-6, 2014-05-08

携帯電話通信時の位置情報履歴は,全国を網羅的に人々の移動が把握可能であるため,都市交通施策などへの応用が期待されている.都市交通施策のあり方を検討するために国士交通省を始め各自治体で実施されているパーソントリップ調査では,人々の滞在地,滞在時間だけでなく滞在目的も重要な調査項目となるが,滞在目的推定の研究はいまだ不十分である.そこで本稿では,携帯電話通信時の位置情報履歴から,個人の滞在地及び滞在時間を検出し,自宅,職場,お出かけ先などの各滞在地に対する滞在目的を推定する手法を評価する.評価では,利用同意を得た 1250 名の 4 週間の位置情報履歴と行動に関する Web アンケート結果を用いた.
著者
池田 和史 柳原 正 服部 元 松本 一則 小野 智弘
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.39, pp.1-8, 2010-11-05

評判解析や文書の要約、検索などを高精度に行うために、係り受け解析や格解析が用いられるが、ブログや電子掲示板上の文書を対象とする場合、口語的な記述が多数見られるため、十分な解析精度が得られないことが課題となる。本稿では、口語的な記述に頻繁に見られる助詞落ち表現が解析精度低下の原因の1つであることに着目し、助詞落ちを自動的に推定し、欠落した助詞を補完することで解析精度を向上する手法を提案する。提案手法では、新聞などの助詞落ちの少ない正規の文書から意図的に助詞落ちを発生させた文書を正例、助詞落ちを発生させていない文書を負例として識別器を学習させ、解析対象である口語文書の助詞落ち箇所を推定する。加えて、推定した助詞落ち箇所の前後の単語をキーとして新聞文書を検索することで、適切な助詞を自動的に補完する。性能評価実験では、Webから収集したブログ文書に対して、人手により助詞落ち箇所と補完すべき助詞を付与し、提案手法における助詞落ち推定精度および補完精度の評価を行った。加えて、助詞を補完することによる係り受け解析精度の向上についても評価した。In this paper, we propose algorithms for reducing the errors of the dependency analysis on colloquial style sentences by complementing the omission of postpositions which makes dependency analysis errors. In our algorithms, the omission of postpositions is detected by a classifier which is trained by the features extracted from formally written documents such as newspaper sentences. As positive examples of the classifier, we automatically omit the postpositions from newspaper sentences, and as negative examples, we used the newspaper sentences as they are. After estimating the omission of the postpositions, complementation candidates of the omitted postpositions are automatically retrieved from newspapers. In the experimental evaluations, we collect blog documents which contain colloquial style sentences and manually labeled the omitted postpositions on them. We evaluated the estimation accuracy, complementation accuracy, and improvement of the dependency analysis accuracy.
著者
服部 元 武吉 朋也 小野 智弘 滝嶋 康弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.390, pp.13-18, 2010-01-18
被引用文献数
1

本研究では,特定のテーマに関連するノウハウ情報を効率的に収集する「ノウハウ検索」手法を提案する.既存の検索エンジンにおいては,一般的に大量の検索結果が得られる.ここで,クエリが「富士山の標高」のような,検索結果上位の数文書程度を閲覧すれば十分な回答が得られるタイプの検索であれば,問題はない.一方,クエリが「おいしいカレーの作り方」のような多様なノウハウの収集を目的とするタイプの検索の場合は,なるべく多くのWeb文書を閲覧する必要があり,検索結果を順次閲覧する方法では,時間や労力の点で限界がある.本稿では,なるべく少ない閲覧数でより多くのノウハウを集める効率的な情報収集の手法を提案する.具体的には,単語の概念関係と出現頻度を利用してノウハウに関連する単語をWeb文書から抽出し,未読のノウハウ情報を含むWeb文書を優先的にユーザに提示する.評価実験を行い,単語の概念関係を導入することでノウハウに関連する単語を多く抽出できること,および,未読のノウハウ情報を優先的に提示することで,一般の検索結果を閲覧するよりも効率的にノウハウ情報を閲覧できることを示した.
著者
池田 和史 服部 元 松本 一則 小野 智弘 東野 輝夫
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21865728)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.82-93, 2012-03-21
被引用文献数
1

近年,TwitterのようなブログやWeb掲示板などに投稿された商品やテレビ番組などに対する口コミ情報を分析してマーケティングなどに応用する評判解析技術に注目が集まっている.これらは手軽に情報発信することが可能なため,新鮮かつ多数の意見を即座に収集するツールとして,その活用は大きな可能性を持っている.一方で,評判は投稿者の年齢や性別,趣味などのプロフィールに応じて異なることが多いが,ブログや掲示板には投稿者の年齢や性別が記載されていない場合が多く,投稿数や平均的な意見などの表面的な情報しか抽出できず,プロフィールごとの意見を抽出できないことが課題であった.この問題を解決するため,著者らはTwitter上の口コミ投稿者の日常的な投稿内容を解析することで,年代,性別,居住地域などのプロフィールを推定する技術を開発した.本技術を利用することで,ネット上の口コミ情報をプロフィールごとに分類,集約することが可能となり,商品の改善やテレビ番組の企画などに生かすことが可能となる.性能評価実験の結果,提案手法の汎用的な推定精度は性別で88.0%,年代で68.0%,居住地域で70.8%であり,視聴率測定などへの応用を想定したプロフィール分布誤差の評価では,分布に偏りがある場合でも性別で8.8%,年代で12.4%,居住地で14.0%と実利用に十分な精度であることが示された.This paper proposes a real-time analysis technology of the online opinions of commercial products and broadcast TV programs. As many people submit their opinions via social media services, such as Twitter, utilizing these real-time and huge amounts of opinions is strongly desired as a novel marketing tool. However, it is impossible in many cases to understand the overall trend of such enormous user opinions by browsing the information stream on the screen. In addition, though presuming the ratio of positive and negative opinions is useful, that discrimination is not much enough because the ratio of opinions differs depending on user demographics (age, sex, area, etc.) The proposed technology makes it possible to analyze the contents of Twitter streams related to commercial products or broadcast TV programs, and estimate the demographics of the users by tracking and analyzing their past tweets. This analysis attracts peoples such as, product planners, broadcast TV directors, and advertisement agencies that produce and promote products/TV programs for target segments. Our experimental results show that the estimation accuracy of the proposed algorithms is, 88.0% in sex, 68.0% in age, 70.8% in areas, respectively. The error ratio in the distribution of estimated demographics was 8.8% in sex, 12.4% in age, 14.0% in area, respectively, which is high enough for practical use.
著者
鈴木 雅実 服部 元 小野 智弘
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

テキスト(言葉)を主体とするコミュニケーションについては,情報量を多くしたからと言って感動がより大きく伝わるとは限らず,説明過多の場合はむしろ逆効果であったりする。それとは対極的に,言葉を凝縮した短詩や名言などを通じて人と感動を共有する日本の文化的な特徴は見直されてよい。このような意思伝達と共感のスタイルをコンサイス・コミュニケーションと呼ぶことにして,その近未来的な支援のあり方について考察する。
著者
池田和史 服部元 松本一則 小野智弘 東野輝夫
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.1308-1315, 2011-06-30

近年、TwitterのようなブログやWeb掲示板などに投稿された商品やテレビ番組などに対する口コミ情報を分析してマーケティング等に応用する評判解析技術に注目が集まっている。これらは手軽い情報発信が可能なため、新鮮かつ多数の意見を即座に収集するツールとして、その活用は大きな可能性を持っている。一方で、評判は投稿者の年齢や性別、趣味などのプロフィールに応じて異なることが多いが、ブログや掲示板には投稿者の年齢や性別が記載されていない場合が多く、投稿数や平均的な意見などの表面的な情報しか抽出できず、プロフィールごとの意見を抽出できないことが課題であった。この問題を解決するため、著者らはTwitter上の口コミ投稿者の日常的な投稿内容を解析することで、年代、性別、居住地域などのプロフィールを推定する技術を開発した。本技術を利用することで、ネット上の口コミ情報をプロフィールごとに分類、集約することが可能となり、商品の改善やテレビ番組の企画などに生かすことが可能となる。性能評価実験の結果、提案手法の汎用的な推定精度は性別で88.0%、年代で68.0%、居住地域で70.8%であり、視聴率測定などへの応用を想定したプロフィール分布誤差の評価では、分布に偏りがある場合でも性別で8.8%、年代で12.4%、居住地で14.0%と実利用に十分な精度であることが示された。