- 著者
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生島 博之
- 出版者
- 愛知教育大学教育実践総合センター
- 雑誌
- 愛知教育大学教育実践総合センタ-紀要 (ISSN:13442597)
- 巻号頁・発行日
- no.7, pp.329-336, 2004-02
本論文は、盗みなどを圭訴としてプレイセラピーを受けることになった小学校3年生男児Nの治療経過を箱庭を中心として報告したものである。Nは、世の中のすべてが面白くないといったブスッとした表情で箱庭をつくり、猛獣に食い殺されるキリンや乳牛、そして、怪獣にやられるウルトラマンをロボワル兄弟と一緒になって応援する孫悟空、等を置きながら、「正義あらへん」と苦笑した。その後、Nは治療がすすむにつれて、「怪獣に奪われた母親」や「人質になった妻子のために身代わりになって悪人に撃ち殺される父親(銀行強盗)」「父母の住む動く家(タクシー)の火事」等の象徴的な遊びをおこなった。そこで、これらの象徴的な遊びの意味を掘りさげ、盗みの心理的メカニズム等について考察した。