- 著者
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原 恵美子
- 出版者
- 愛知教育大学
- 雑誌
- 治療教育学研究 (ISSN:09104690)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, pp.61-69, 2010-02
- 被引用文献数
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知的障害児への学校での性教育は,継続的な取り組みや教材等の開発も困難な状態が今日まで続いている。その根拠として学習指導要領の中での位置づけがいまだ決まっていないことに加えて,教員や保護者等関係者らの「寝た子を起こすな」という消極的な姿勢があげられることが少なくないが,これを確認するため,おおむね1990年代以降発表の性教育に関する文献を調べ,特別支援学校教員による記述に見られる性教育に対するイメージの整理,関係者へのインタビューを実施した。今回特に女子知的障害児の保護者の意識を中心に調べたが,子の状態によって保護者の要望も個人差が大きいことがわかった。しかし,女子の場合は性的問題行動や性被害が問題になりやすいのは学校教育終了後で,卒業後の性教育の担当者や場所の確保が必要であることが示唆された。