著者
平林(宮部) 真衣 柴田 大作 篠原 恵美子 河添 悦昌
雑誌
ワークショップ2022 (GN Workshop 2022) 論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.52-61, 2022-11-17

2019 年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は,2022 年 9 月現在,未だ収束の兆しを見せず,人々の生命や生活,経済に多大な打撃を与えている.感染症制御に欠かすことのできない集団免疫獲得という視点から,COVID-19 ワクチンの接種促進は重要な課題であるが,ワクチンは任意接種が原則とされ,有効なワクチンが提供されても接種を受けない人々が存在する.ワクチン接種の意思決定に対する,インターネット上の情報閲覧による影響が指摘されており,マイクロブログ上で投稿・拡散されるワクチンに関する “流言” が,ワクチン接種に何らかの影響を及ぼす可能性があると考えられる.そこで本研究では,マイクロブログの一つである Twitter 上に投稿された,“ワクチン” に関連する “人々が疑問を呈したり訂正したりした流言(訂正流言)” の分析を行い,以下の点を明らかにした.(1)訂正流言中で疾患名が明示されやすいワクチンが存在する.(2)感染症流行下では,流行中の疾患名を明示せずに単に「ワクチン」とだけ表記する場合も多い.(3)ワクチンに関する訂正流言の内容の多くは「悪影響があること」あるいは「効果がないこと」に言及したネガティブな内容である.(4)訂正流言発生数と COVID-19 ワクチンの接種実績との間には正の相関があり,流言を訂正するツイートの増加が接種行動誘発の一因となっていた可能性がある.
著者
岡澤 香津子 若林 雅人 松岡 慶樹 佐々木 伸一 水越 裕樹 竹原 恵美子
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.83-89, 2013 (Released:2013-09-05)
参考文献数
15

Objective: The present study investigated awareness and knowledge about clinical trials among pharmacists working in the Nagano Hokushin area as well as their contribution to the enlightenment of clinical trial.Methods: A questionnaire survey of clinical trials was conducted to evaluate levels of interest, impressions, sources of information, and knowledge among hospital and community pharmacists.Results: We received responses from 77 hospital and 67 community pharmacists.  The levels of interest in clinical trials were not significantly different between hospital and community pharmacists.  About impressions, hospital pharmacists thought that clinical trials were “a new development.”  Contrarily, community pharmacists thought that clinical trials were “a field that they were seldom concerned with.”  About sources of information, hospital pharmacists found that “study meetings” were the most informative.  More community pharmacists than hospital pharmacists chose “general reports, for example, newspapers and televisions” as a source of information, and similarly more community pharmacists indicated that they had “few opportunities for obtaining information about clinical trials.”  About knowledge, the percentage of correct answers about clinical trials between hospital and community pharmacists was not significantly different.  A higher percentage of community pharmacists than hospital pharmacists answered unknown.Conclusion: Hospital and community pharmacists had different impressions and knowledge about clinical trials probably because of differences in sources of information and its access.  Henceforth, study meetings involving educational material about clinical trials should be held for discussing fundamental knowledge about the methods and structure of clinical trials and for discussing case studies wherein patients consult pharmacists about clinical trials.
著者
栗原 恵美子 和田 早苗
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, 2018

<目的><br> 平成29年3月に中学校学習指導要領が告示され、移行期間を経て平成33年度より全面実施される。実践研究してきた余熱保温調理の学習に関して振り返ると、新学習指導要領の基本理念、技術・家庭科の目標の実現、SDGsの実現、に合致する内容が多いことがわかった。<br> そこで平成33年度に向けて、今まで実践してきた内容を更に省察し、余熱保温調理の学習の効果と課題を明確にし、また家庭科教育及び学校教育で、SDGsへの意識を高める余熱保温調理の学習の可能性を提案すること、を目的とした。<br><br><方法><br> 先行研究として、保温調理に関する文献等にあたり、保温調理のメリット・デメリット等を調べた。その後、中学校家庭科調理室で保温実験等実施し、授業への展開を探り、授業実践研究を行った。<br> 学習後、生徒へ自主的な取り組みとして課した探究活動レポートを分析し、また振り返りアンケートを実施し、学習の効果等を明らかにした。<br> また実施上の課題解決の方策を検討すべく、協力を得られた教員にインタビュー調査を実施し、余熱保温調理学習の可能性を探った。<br><br><結果・考察><br> 第2次世界大戦中の余熱保温調理に関して記載している文献(沼畑金四郎著・宮崎玲子著等)があり、それらから「…助炭と称して、やかんを覆う綿入れカバー、鍋の保温におがくずや綿を詰めた保温箱…」等、当時限られたエネルギーを大切に使う様子が掴め、また先行研究・著書(香西みどり著『加熱調理のシミュレーション』)より「…沸騰を続けなくても比較的高い温度が保たれれば、温度に応じた反応速度で調理が進んでいく…」等の情報を得ることができ、授業実践研究に活かすことができた。<br> 都内の国立大学附属中学校調理室で諸条件の下実施した、温度降下測定実験(2014年5月)では、約1時間保温後は約98℃から約90℃、約2時間保温後は85℃前後、と充分調理に適する温度が得られることがわかり、授業実践に繋げることができた。<br> 授業では、市販の保温鍋と手作り保温鍋(鍋を新聞紙とフリース布地で包んだもの)の温度降下等の比較実験を実施し、生徒は調理したスープを試食した。「思っていたよりも温度が下がらず、多くの利点があると思った」等、授業後に回収した生徒のワークシートの自由記述から、驚きと楽しく学べた様子や意欲等みとれ、学習の効果が確認できた。<br> 長期休みに生徒が自主的・発展的に取り組んだ余熱保温調理レポート(2014年度実施 n=11)分析からは、保温方法として「発泡スチロールの箱」や「どてら」を利用する等の様々な創意・工夫が見られ、余熱保温調理のレポート発表後のワークシートでは「100年後も同じ空が見ていられるために」といった標語を記す等、持続可能な社会の構築に向けて、生活を工夫し創造しようとする実践的な態度がみとれ、余熱保温調理の学習の効果が確認できた。<br> アンケート調査(2017年3月実施 n=112)では、エネルギーを大切に使う意識は93.8%が高まったと答えている。<br> 一方実践研究をすすめる中、学校によっては、授業内での保温時間の確保や、食中毒の懸念といった余熱保温調理の学習の課題が明確になった。そこで複数校の教員(n=5)にインタビュー調査をし、実施可能な対応策として、休み時間を利用しての計測、総合的な学習の時間を利用、食中毒の直前学習等様々な方策が上がり、実施するために可能性を検討できた。SDGsに直接的・間接的に繋がる、可能性のある余熱保温調理の学習を、継続研究し、家庭科授業から教育の場全体に提案したい。
著者
三好 茂樹 河野 純大 白澤 麻弓 磯田 恭子 蓮池 通子 小林 正幸 小笠原 恵美子 梅原 みどり 金澤 貴之 中野 聡子 伊福部 達
出版者
The Society of Life Support Engineering
雑誌
ライフサポート = / the Society of Life Support Technology [編] (ISSN:13419455)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.146-151, 2010-12-30
参考文献数
7
被引用文献数
1 4

Deaf or hard-of-hearing people need support services such as real-time captioning. It is fairly common for captionists to be unable to perform captioning services. In order to address this problem, we proposed a Mobile-type Remote-captioning System. The main characteristic of our system is to use two functions of one mobile phone (e.g. the iPhone 3G/3GS, Apple Computer, Inc.) at the same time. The two functions are to display the captions input by the captionists (data communications) and to call the captionists to transmit the speaker's speech to the captionists (telephone call). The purpose of our research was to make clear the differences with the existing system, and to discover the advantages and faults of our system. In this study, we investigated these issues using a questionnaire for captionists who had used our system. As a result, we found that our system is suitable for a situation in which the speaker and the deaf or hard-of-hearing person are communicating while walking together (e.g. excursions, plant tours), whether indoors or outdoors. In addition, it reduces the stress that can be caused to deaf or hard-of-hearing children by having adults (captionists) other than teachers in the classroom.
著者
栗原 恵美子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.33, pp.13-35, 2004
被引用文献数
1

男女共同参画を社会に広めるには様々なアプローチが在ろう。学校教育の一教科がどこまでその一翼を担うことができるか?今回,過去の実践を振り返り,男女共同参画推進の視点で各学習をあらためて見直し,授業を新たに提案する。「生活の自立」の視点で一学年では,家事全般と消費者生活の面から学習。二学年では「食」の面から「生活の自立」を時間をかけて学習。一・二年の学習を活かし,三学年では家族・保育・ジェンダー・男女共同参画を扱い,「人と関わって生きる」を学習。現在進行中であるが,生徒の取り組みはよく,手応えを感じるものである。家庭科教育を通して(1)課題発見力(2)見通す力(3)課題解決力(4)情報収集・判断力(5)生活技術・生活力が付き,そして(1)協働の意識(2)生命の尊さへの意識(3)健康への意識(5)思いやりを持って生きる姿勢が高まると考えている。また,同じキャンパスにある小学校から大学までの連携研究を過去に何回か行ってきたが,家庭科では初めての試みである産業界との連携研究を中心に実践研究,テーマ「食教育〜調理技術〜」の一部を報告する。アンケート調査で生徒の実態を明らかにし,児童・生徒の調理技術を発達段階に分けビデオで比較検討し,家庭科教員による調理実習授業の実態を分析し,調理実習メニュー等の視点で提案を行った研究である。
著者
原 恵美子
出版者
愛知教育大学
雑誌
治療教育学研究 (ISSN:09104690)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.61-69, 2010-02
被引用文献数
1

知的障害児への学校での性教育は,継続的な取り組みや教材等の開発も困難な状態が今日まで続いている。その根拠として学習指導要領の中での位置づけがいまだ決まっていないことに加えて,教員や保護者等関係者らの「寝た子を起こすな」という消極的な姿勢があげられることが少なくないが,これを確認するため,おおむね1990年代以降発表の性教育に関する文献を調べ,特別支援学校教員による記述に見られる性教育に対するイメージの整理,関係者へのインタビューを実施した。今回特に女子知的障害児の保護者の意識を中心に調べたが,子の状態によって保護者の要望も個人差が大きいことがわかった。しかし,女子の場合は性的問題行動や性被害が問題になりやすいのは学校教育終了後で,卒業後の性教育の担当者や場所の確保が必要であることが示唆された。
著者
関山 敦生 笠原 恵美子 千田 大 岡村 春樹 内村 健治 井上 正康
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究により、(1)ストレスの種類と量のマーカー、(2) IL18、活性酸素、TNF-αを介する三つのサイトカインカスケード(3)ミトコンドリアが介するサイトカイン誘導メカニズム(FEBS Letter 2011)(4)大うつ病の重症度マーカー(5)ストレス後精神障害予測マーカーをそれぞれ発見した。(4)、(5)に関しては更なる検討を予定。成果は、2011年度後半から東北太平洋沖地震救援活動従事者の健康管理に役立っており、本研究の社会的成果は多大である。