著者
平塚 雄亮 Hiratsuka Yusuke ヒラツカ. ユウスケ
出版者
大阪大学大学院文学研究科日本語学講座
雑誌
阪大日本語研究 (ISSN:09162135)
巻号頁・発行日
no.24, pp.55-74, 2012-02

本稿では、自然談話資料を用い、福岡市方言のアスペクトマーカにみられる言語変化について論じた。そのなかで、肯定形では伝統方言形ヨル・トルの使用が多いものの、高年層から若年層にかけて非伝統方言形テルも使用が多くなり、否定形では若年層において非伝統方言形テナイ専用へと変わりつつあることがわかった。後者の変化についてはすでに先行研究の指摘があったが、このような変化が引き起こされた要因として、本稿では、①肯定形に比べ否定形の使用が圧倒的に少ないこと、②テナイがトランの意味領域に侵入し、取って代わるという変化が起き、さらにヨル/トルの意味対立がなくなってきたところに、両者をカバーする存在としてテナイが現れたこと、の2 点を指摘した。

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