- 著者
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小野 恭靖
- 出版者
- 大阪教育大学
- 雑誌
- 大阪教育大学紀要. 1, 人文科学 (ISSN:03893448)
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.1, pp.41-50, 2012-09
「隆達節歌謡」は一般に「隆達節」「隆達小歌」などと称される歌謡で、堺の顕本寺に住し、後に還俗した高三隆達(大永七年〈一五二七〉~慶長一六年〈一六一一〉)が歌い出して、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての巷間を彩った一大流行歌謡である。「隆達節歌謡」には胡麻譜のあるもの、ないものを含めて多くの歌謡の書き留めが残されている。筆者は諸方に埋もれている「隆達節歌謡」の文献資料を捜索し続け、これまでに五二一首の歌謡を集成した。また、新たに管見に入った未紹介資料や伝本に関する知見の紹介も続けてきた。本稿はそれらに続く一連の拙稿の一編に相当する。### 本稿では 新出の「文禄三年九月百五十首本」の他、「年代不詳三十七首本」(青山歴史村所蔵)、「年代不詳三首断簡(『京都古書組合総合目録』第23号掲載)」、「年代不詳下絵入り二首断簡(田中登氏蔵)」を紹介するとともに、近時明らかになった数種の伝本に関する知見を覚え書きとして記す。"Ryutatsubushi-kayo"are songs which were sung by Takasabu Ryutatsu who lived in Sakai. They had become very popular starting the Azuchimomoyama era and on the early years of the Edo era. There are a lot of unknown materials about them.### This report is one of the series in which these materials are introduced.### The song books introduced here are "Bunroku sannen kugatsu hyakugossyubon (文禄三年九月百五十首本)" ,"Nendaihusyo Sanjyushitisyubon(年代不詳三十七首本)","Nendaihusyo sansyudankan(年代不詳三首断簡)" "Nendaihusyo nisyudankan(年代不詳二首断簡)" .### The notes from different angles about Ryutatsu and "Ryutatsubushi-kayo"are added at the end of this report.