著者
ムンクジルガラ
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
no.3, pp.117-135, 2010-03

本稿の課題は、アイヌの海外諸民族との交流が、彼らの民族としての復権運動において大きな意味を持つことを文献資料及び聞き取り調査などに基づいて明らかにすることである。アイヌの民族復権運動は、長年日本政府によって強いられてきた「同化」政策や一般の人々の間にある差別や偏見のなかで他者からも独自の民族とみなされないだけではなく、アイヌ自らも民族として名乗れなかったなど、紆余曲折をたどった。70年代に実現したアイヌ中国訪問は、アイヌにとって、初の海外交流になっただけではなく、中国の少数民族との交流は「輝かしいもの」として中国の民族政策のあり様に触れる機会となった。中国の少数民族との交流の実現は、アイヌの民族としての復権運動の大きな契機となった。アイヌは、中国の民族政策に倣って日本における少数民族としての諸権利を求める運動を展開させていこうとした。中国訪問に始まる世界の先住・少数民族との積極的な交流は、アイヌの民族の権利回復と結びついていったのである。

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ほお。 例の歴史研究会 https://t.co/o71OXr5JOh が、週刊金曜日に水谷尚子氏に対する中傷を吹き込んでるのも拾えたが、すげえな、ウイグル潰しにアイヌまで利用すんのか。 https://t.co/6PhpiUQSmV https://t.co/wvCJIU0IZs
@syukan_kinyobi 以下文献はフォロワーの方から教えてもらったものです https://t.co/lRNEgPdK4K
話をアイヌ訪中団に戻すが、関連論文『アイヌの海外交流と民族の復権』https://t.co/kRXCcVrWR1 …の抄録を見る限り、何ら批判されるような問題は無く、これが問題だとする有本の主張https://t.co/gx44gK26lEは少数民族の存在を否定するレイシズム以外の何物でも無いと考える。 https://t.co/hsgzyed9Dy
1 1 https://t.co/HfebmjdUvO
CiNii 論文 -  アイヌの海外交流と民族の復権--1970年代のアイヌ中国訪問がもたらしたもの https://t.co/GLwtCFJgNH #CiNii

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