著者
近藤 功庸 笹木 潤 山本 康貴
出版者
富民協会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.14-22, 2010-06

山本・近藤・笹木は、以下の「稲作生産性停滞仮説」を提示して、「わが国稲作生産性の伸びがゼロとなりつつある」という極めて悲観的な可能性のあることを計量的に検証した。「稲作生産性停滞仮説」:戦後におけるわが国稲作生産性は、(1)技術進歩率が相対的に高くキャッチ・アップ効果が低下する減反以前の第1局面、(2)技術進歩率が低下しキャッチ・アップ効果が上昇する減反以降から近年までの第2局面の順に推移し、(3)その後は技術進歩率、キャッチ・アップ効果ともに停滞し全体として稲作生産性の伸びがゼロとなる第3局面に向かっている可能性がある。本稿では、山本・近藤・笹木の分析枠組みに依拠しつつも、この分析では未解明であった以下3つの論点に限定し、「稲作生産性停滞仮説」の再検証を試みることを課題とする。

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