著者
早川 喜郎 川名 隆広 神谷 勇一郎
出版者
日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.215-220, 2008-12

野菜・果実加工において、濃縮プロセスは、最も重要な技術の1つであり、品質・コストに大きく影響を与えている。本研究においては、多くの食品に適用が可能で、かつ多品種少量生産に適する新規の凍結濃縮技術を開発することを目的とした。この凍結濃縮技術は、界面前進凍結濃縮を原理としており、氷の生産、分離が同一容器内で可能であり、装置構成、操作が非常に簡単なシステムである。濃縮条件の最適化、製氷器の最適設計、氷に含まれる溶質成分の回収と自動化、装置の自動化などの開発を行い、小規模の界面前進凍結濃縮システムを開発した。このシステムを使用してトマトジュースの凍結濃縮試験を行った結果、Brix40%程度の高濃度濃縮が可能であり、香味に優れた濃縮品を得ることが可能であった。また、トマトジュースのように他の果汁に比較するとバルブ質を多く含んでいるジュースでも凍結濃縮が行えることが確認できた。

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