- 著者
-
釘原 直樹
Kugihara Naoki
クギハラ ナオキ
- 出版者
- 大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室
- 雑誌
- 対人社会心理学研究 = Japanese journal of interpersonal and social psychology (ISSN:13462857)
- 巻号頁・発行日
- no.14, pp.1-15, 2014-03
スケープゴーティングとは、何らかのネカティブな事象が生起、あるいは生起が予見されている際に、事態発生や拡大・悪化に関する因果関係・責任主体が不明確な段階で、原因や責任をある対象に帰属したり、その対象を非難することが、一定の集合的広がりをもって行われることである。また因果関係の枠外にある対象に対する責任帰属や非難、そしてそのような認知や行為が共有化されていくプロセスもスケープゴーティングに含める。このスケープゴーティングにおいて、対象となるものをスケープゴートと呼ぶ。ここでは、スケープゴーテイングの発生プロセスに関するモデルを構成し、さらにスケープゴーティングを促進するマスメディアの報道特性やスケーフゴートの時間経過による変遷プロセス(波紋モデル)について述べる。The scapegoating was typical kinds of collective attribution of causes and responsibility and blaming a certain targets when people perceive that negative events occurred in past or will occur in the future. The targets of scapegoating may be selected on the basis of ambiguous or no causal relationship to the negative event. Here I proposed a total scapegoating model and discussed characteristics of mass media publicity. And finally, a scapegoat transition model (the ripple widening model) was presented.