- 著者
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森 良和
- 出版者
- 玉川大学教育学部
- 雑誌
- 論叢 : 玉川大学教育学部紀要 (ISSN:13483331)
- 巻号頁・発行日
- pp.81-98, 2013
メルヒオール・ファン・サントフォールトは,1600年に豊後に到着したオランダ船リーフデ号の船員の一人である。彼はウィリアム・アダムズのように旗本扱いとはならなかったが,平戸のオランダ・イギリス両商館とも取引し,自由市民として独自に商売を営んだ。リーフデ号の船員のなかで最も長生きした彼は,およそ40年間を日本で過ごしたが,幕府の鎖国政策によってバタヴィアに追放され,その地で死去した。リーフデ号の船員はだれ一人母国に帰還せず,ほとんどは自らの意思で日本にとどまった。本稿では従来扱われることのなかったサントフォールトの生涯を明らかにし,当時世界に雄飛したオランダ人船員の生き方の一例を考察する。