著者
髙橋 稔 武藤 崇
出版者
広島国際大学心理臨床センター
雑誌
広島国際大学心理臨床センター紀要 (ISSN:13482092)
巻号頁・発行日
no.3, pp.40-47, 2005-03-10

lronic Process Theoryは,思考を意図的に統制しようとするとむしろ逆の効果をもたらされるという現象を説明している。睡眠障者や不眠についてもこの現象が注目され,入眠時の思考統制について検討されはじめた。本研究では,入眠時に浮かぶ思考に対してどのような対処を行っているか調べるために, Harvey (2001)のTCQ-Iにより調査を行った。対象は大学生157名とした。因子分析の結果,思考妨害,思考の再評価,否定的な自己焦点化の3因子が関与していることが明らかになった。さらに,各因子で因子得点を基準に低得点群と高得点群を抽出し,睡眠の諸様相の違いについて検討した。否定的な自己焦点化では,高得点群は低得点群と比較して睡眠の質が低いこと,思考妨害,思考の再評価については,睡眠の質や睡眠リズムに関係がないことが示された。これらの結果から,臨床への応用可能性と今後の課題について討論した。

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CiNii 論文 -  入眠時に浮かぶ思考の意図的統制は有効か? https://t.co/ie6MdZacpN

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