著者
大塚 望 Nozomi OTSUKA
出版者
創価大学日本語日本文学会
雑誌
日本語日本文学 (ISSN:09171762)
巻号頁・発行日
no.23, pp.15-33, 2013-03-20

「とする」と「にする」は,共起する格助詞がトかニかという一文字違いでありながら,両者が示す意味や用法また統語構造は,大きく異なっている。これまで両者を比較する研究は見られなかったが,本稿ではこの二つの表現を一緒に考察することによって,その共通点,相違点がさらに明らかにされると考え実例を収集し比較した。共通点は,決定と同定を意味する用法を持つ点。相違点は「とする」が引用,仮定,将前,決定,同定を,「にする」が決定,変化,実現努力,仮想同定の意味を表す点と構文の違いであった。その意味分類の基準として主語の存在と変化前の想定という特徴を引き出した。結局は「する」の持つ形式性がこのような多様な意味用法を示すのである。

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CiNii 論文 -  「とする」と「にする」の違い : 意味・用法を中心にして https://t.co/BPSvOkmH4A #CiNii

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