著者
高山 林太郎
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科・文学部言語学研究室
雑誌
東京大学言語学論集 (ISSN:13458663)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.e1-e118, 2014-09-30

筆者の修士論文を修正して本稿とした。本稿の目的は、日本語の八丈方言の非短母音(長母音・二重母音)を、各地区方言間で比較して、八丈祖語における非短母音の祖体系を再構し、更に古文献『八丈実記』などの状態とも比較して、通時的変化を描くことである。上代東国方言に由来する八丈方言は、上代中央方言に由来する標準語などと、単純に同じ出発点であったとは言えず、また標準語などの辿った変化と、単純に同じような変化を辿ったとは言えないが、一旦はそのように仮定した上で、通時的変化の議論を実施してみることは、決して無益ではない。最終的に非短母音は、それほど古くない、1800年前後から各地区方言へと分岐し、多様化したと分かる。論文 Articles

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