著者
笠谷 和比古
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
no.16, pp.33-48, 1997-09

徳川家康の姓氏問題は複雑である。家康はその血統的系譜を清和源氏の流れを汲む新田一族の一人得川四郎義季の末裔たることに求め、自らの姓氏を清和源氏と定めたとされるが、これは天下の覇権を掌握した家康が、慶長八(一六〇三)年の征夷大将軍任官を控えて系譜の正当化をはかる目的で、そのような始祖伝承を無理に付会していったものであるとこれまで見なされてきた。しかし家康宛の朝廷官位叙任に関する口宣を分析した米田雄介氏の近年の研究成果は、このような通説的歴史像に疑義を生じさせるものとなっている。本稿はこれらの研究史を踏まえ、かつ家康関係文書の再検討を通して、家康の姓氏の変遷を追究する。それは単に、家康の源氏改姓の時期のいかんを求める事実問題としてだけではなく、姓氏の変遷に表現されたこの時期の国政上の意義にかかわる問題でもある。本稿では、この家康の源氏改姓問題を通して、豊臣秀吉の関白政権時代の国制はその下に事実上の徳川将軍制を内包するような権力の二重構造的性格を有するものであったことを論じる。

言及状況

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@Tdr_moeguti4065 おはようございます https://t.co/bT54lLwkBI 家康源氏姓に関する論文を見つけました
https://t.co/7PqDqlVcJL
少し混乱したけど、家康の源氏改姓は将軍への布石というより東国支配のためということか。 なお「徳川家康の源氏改姓問題」も参考になったが、 https://t.co/9vJwgMsCUg これに批判的な見解もある https://t.co/o4QuSp3xeR
笠谷和比古先生の氏(うじ)に関する論考が滅法面白い。徳川家康は、氏を藤原氏から源氏へ変えたことで知られていますが、そのタイミングは遅くとも小田原攻め翌年の天正19年でした。つまり、時の最高権力者(豊臣秀吉)の是認の元で、後の将軍就任の萌芽が芽生えているのだ。https://t.co/DpZFlhGYmR
CiNii 論文 -  徳川家康の源氏改姓問題 https://t.co/yWqrTTa9W0

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