著者
藤井 透
出版者
佛教大学社会学部
雑誌
社会学部論集 = Journal of the Faculty of Sociology (ISSN:09189424)
巻号頁・発行日
no.61, pp.35-55, 2015-09

本稿は,19 世紀後半のイギリスの経済学者であるアーノルド・トインビー(1852-1883)に関する,従来の諸外国の研究をサーベーして,次のようなことを論じた。トインビーに関する研究は,その死から両大戦間期まで,第二次大戦後から1970 年代まで,1980 年代,そして,その後から現代までと,おおまかに四つの時期に分けることができる。そして,本稿は,それぞれの時期を,トインビー「神話」の誕生,「神話」から研究へ,研究の深化と発展,あたらしい「神話」か?と特徴づけた。結論として,トインビーに関するもっとも豊かな研究成果が現れたのが1980 年代で,それを部分的に受け入れて,トインビー個人ではなく,かれの『産業革命』を現代イギリス研究にとって重要なテキストであるとみなしているのが,今日の研究の特徴だとした。アーノルド・トインビー歴史学派経済学産業革命オックスフォード大学

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1883年3月9日、アーノルド・トインビーが死去。産業革命の概念を学術的に提唱した英国の経済史研究者で、主要著書は何度も邦訳されている。社会福祉の分野における運動でも知られる。藤井透「アーノルド・トインビー研究の歩み」(『佛教大学社会学部論集』61、2015年)参照。 https://t.co/4Ut8hVcJc8

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