著者
福島 知己
出版者
一橋大学附属図書館研究開発室
雑誌
一橋大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:21876754)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-17, 2016-06-30

慶應義塾大学および東京商科大学で教鞭をとった福田徳三は、関東大震災勃発時の東京帝国大学附属図書館全焼に際して、一見すると冷淡とも見える見解を披瀝しているが、それは彼の大学図書館についての確固とした信念にもとづいた発言であった。本稿では、極窮権を中心とする福田の見解を手掛かりにして、大学図書館についての彼の主張を、その社会思想の全体から理解しようと試みた。福田の人間研究としての経済学の立場から見て、大学図書館とは、人間の精神的発達のあかしであった。Tokuzō Fukuda, who taught at Keio University and Tokyo University of Commerce, expressed apparently cold feeling when he heard that Tokyo Imperial University Library had been totally destroyed by fire after the Great Kantō Earthquake of 1923. In fact, his opinion was based on his unshakable belief on university library. This article tried to place it in his whole social thought, connecting it especially with his idea of right to extreme need. From his point of view, economics constitute part of the study of mankind, university library a token of their mental development.

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福田徳三の大学図書館観に関する論文を読んだのだけど、震災と知識人、福田徳三の生存権論、図書館の意義と色々な問題が上手く繋がっていて面白かった。https://t.co/9EuGEEIRKQ
福島 知己(2016)「極窮の図書館―福田徳三の大学図書館観―」, 『一橋大学附属図書館研究開発室年報』 (4), pp.1-17 https://t.co/QOydn7sW33

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