著者
牧野 悠
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.16, pp.16-28, 2008-03

柴田錬三郎が生み出した戦後時代小説最大級のヒーロー、眠狂四郎。その必殺剣、刀身をゆるやかに旋回させることによって、対手を一瞬の眠りに陥らしむる魔技「円月殺法」は、いわゆる剣豪小説ブームに乗り、現在に至っても高い知名度を保っている。しかし、その研究は、一定の強度を備えて描写に踏み込んだ考証となりえず、登場以降半世紀に亘り、典拠考察すらされてこなかった。円月殺法の描写は、同時期の剣豪小説の方法と同様、剣術資料を典拠とし、想像上の秘技を紙上に現出させるための、リアリティ向上に用いていた。そればかりか、その典拠は、円月殺法という魔剣そのものを着想させる可能性すら秘めるものであった。また、典拠の性質を鑑みると、作家がそれをいかに利用するかによって、遣い手である剣士の性格形成にも影響を与え、剣豪小説の双生児とも云うべき二人のキャラクターの誕生をもたらすことにつながった。

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これを異常論文扱いするのは御無礼かもしれないけど、「円月殺法研究の現在」という文字列はそれだけで最高に異常だったよ。 CiNii 論文 - 円月殺法論(1)その典拠 https://t.co/PCYRmAXoGR
こんな論文どうですか? 円月殺法論(1)その典拠(牧野 悠),2008 https://t.co/tzhqbSPiuj 柴田錬三郎が生み出した戦後時代小説最大級のヒーロー、眠狂四郎。その必殺剣、刀身をゆるやかに旋回させることによって、…

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