- 著者
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髙坂 康雅
柏木 舞
- 出版者
- 和光大学現代人間学部
- 雑誌
- 和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
- 巻号頁・発行日
- no.10, pp.113-121, 2017-03
現在の日本では、離婚件数が高い水準で推移しており、親の離婚を経験する子どもの数も多くなっている。本研究の目的は、親の離婚を経験した子どもが、親の離婚経験から立ち直るまでのプロセスを明らかにすることであった。東京都内の大学生10名を対象にインタビュー調査を行い、M-GTAを援用して、親の離婚経験からの立ち直りに関するプロセスモデルを構成した。親の離婚を経験した子どもは、親が離婚したことに対する「否認」からはじまり、「悲しみ」や「怒り」を経て「抑うつ」状態に陥る。しかし、他者の存在に支えられ、離婚経験を開示することにより、「安堵」、「受容」を経て、未来に向けて「希望」を抱くことができるようになることが明らかになった。