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『新色五巻書』という結節点 : 西鶴から一風、そして近松へ
著者
井上 和人
出版者
関東学院大学[文学部]人文学会
雑誌
関東学院大学人文学会紀要 = Bulletin of the Society of Humanities Kanto Gakuin University
(
ISSN:21898987
)
巻号頁・発行日
no.136, pp.178-163, 2017
本稿のポイントは大きく二点。第一に、『新色五巻書』における『好色五人女』利用を再吟味、長谷川強氏が指摘する大枠に若干を補足した。一風は『新色五巻書』に『好色五人女』各巻を「彼此交錯させた」(長谷川氏)のだが、最新の心中事件を別の心中事件の型を借りて脚色するという方法は、元禄期世話狂言の作劇法と極めて近い。第二に、近松の浄瑠璃『大経師昔暦』が『新色五巻書』をふまえた可能性を提起した。『大経師昔暦』おさん寝床の入れ替わりの趣向は『好色五人女』に拠るとして、おさんが真実を知る経緯については『大経師昔暦』と『好色五人女』とで隔たりがあった。そこを埋めるのが『新色五巻書』だと想定すれば、趣向の継承がスムーズに説明できる。西鶴から一風、一風から近松へ。本稿は、〈結節点〉として『新色五巻書』を位置づける試みである。
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井上 和人 - 『新色五巻書』という結節点 : 西鶴から一風、そして近松へ https://t.co/cX8hPmGRWO
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