著者
鄭 煕聖 Heeseong Jeong
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Social science review (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.123, pp.21-35, 2017-12

本稿の目的は,当事者視点からセルフ・ネグレクト状態にある独居高齢者の支援ニーズを探索的に検討することである。セルフ・ネグレクトの状態にある65歳以上の在宅独居高齢者9名を対象に半構造化面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチの手法を参考に分析し,さらにマズローの欲求5段階説を用いて上位カテゴリーにまとめた。その結果,対象者の発言内容から調査対象者の支援ニーズに関係する17個のコードと9個のカテゴリーが抽出された。最終的に,マズローの欲求5段階説に基づき,【安全欲求充足のための支援ニーズ】【愛と所属の欲求充足のための支援ニーズ】【尊重欲求充足のための支援ニーズ】という3個の上位カテゴリーに分類できた。考察では,対象者の支援ニーズは段階に関係なく多様性を有しており,とりわけ,長期間放置されてきた潜在的ニーズを把握するためには当事者との親密な関係形成及びライフヒストリーに対する十分な理解が重要であることが示唆された。論文(Article)

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こんな論文どうですか? セルフ・ネグレクト高齢者の支援ニーズに関する質的分析 : 当事者視点とMaslowの欲求階層説(鄭 煕聖ほか),2017 https://t.co/pRSjqHu0NV 本稿の目的は,当事者視点からセルフ・ネグレクト状態にあ…

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