著者
長谷川 千春
出版者
大東文化大学語学教育研究所
雑誌
語学教育研究論叢 (ISSN:09118128)
巻号頁・発行日
no.33, pp.91-105, 2016

魔術師マーリンにはアーサー王宮廷の騎士や王の言動にも影響を及ぼす言葉の力がある。中世ウェールズの伝説的予言者ミルズィン(Myrddin)が源泉とされているマーリンに関する伝説・文学作品は、ブリテン島内だけでなく、ヨーロッパ大陸へと広がっていき、ラテン語、フランス語、英語など、複数の言語で成文化された。このように地理的・言語的にも広範囲に発展をした中世アーサー王文学の中で、マーリンはブリテン島ケルト社会で実権を握っていたドルイド僧と同一視されることがある。その一方で、15世紀後半サー・トマス・マロリー(Sir Thomas Malory)の『アーサー王の死』(Le Morte Darthur)におけるマーリンは、魔術師、予言者、ドルイド僧の範疇を超え、軍師のような一面も見せる。本稿では、マーリン像の起源と発展を確認した上で、彼の権威ある言葉が、ケルト文化やキリスト教などに強く影響されながらも、いかに騎士社会で異彩を放っているかについて論じる。

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