著者
有馬 明恵
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.159-179, 2015-03

近年、大学生の内向き志向が新聞などのマス・メディアで指摘されている。彼らの内向き志向には、異文化接触経験、外国に関する知識量、海外で働くことや生活することに対する態度などの心理的要因が影響を及ぼしていると考えられる。本稿では、海外勤務の可能性に対する見積もりがどのような異文化接触経験や心理的要因の影響をどの程度受けているのかを明らかにすることを試みた。その結果、グローバル意識のうち「海外志向性」は一貫して海外勤務の可能性に直接影響を与えること、外国人との親密な友人付き合いとテレビでのワールドカップ視聴は「海外志向性」に正の影響を及ぼすこと、マス・メディアは「海外志向性」に対する影響力が小さいこと、女性については愛国心やナショナリズムなど「海外志向性」に影響を及ぼす要因が男性よりも多いことなどが明らかにされた。結果から、グローバル意識を涵養するためには、幼少期より外国人との親密な対人関係を築く必要があることが示唆された。

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