著者
小野 真由子 並木 崇浩 山根 倫也 中田 行重
出版者
関西大学臨床心理専門職大学院 心理臨床センター
雑誌
関西大学心理臨床センター紀要
巻号頁・発行日
no.10, pp.65-73, 2019-03

本論文ではリフレクションについて内的統合モデル (The assimilation model) という新たなモデルから検討された Goldsmith et al. (2008) の論文を紹介し、Person-Centered Therapy(以下、PCT)にもたらした新たな知見に関して若干の考察を述べる。内的統合モデルとは、自己は多様な内なる声を持つと想定し、それぞれの声は経験の布置や在り方を象徴していると捉えている。Goldsmith et al. (2008) は、Therapist(以下、Th)のリフレクションによってThとClient(以下、Cl)の間に、そしてClの内的な声の間に理解の架け橋が構築され、Clの問題のある内的な声が統合されるプロセスにつながったと主張している。Goldsmith et al. (2008) の主張から、PCTのリフレクションのメカニズムに関して新たな知見を提供している点や、リフレクションの受容的側面の重要性を考察した。また、Clの体験が明らかにされPCTの理論が発展していく課題として、Thが技法的な関わりになってしまうことを挙げた。特集:パーソン・センタード・セラピーの展開

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