著者
和田 光弘
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.p733-765, 1987-09

個人情報保護のため削除部分あり黒人奴隷制に基づくタバコ・プランテーションの展開をみたメリーランド植民地とヴァジニア植民地は、タバコ植民地とも称され、イギリス旧帝国の「辺境」として、従来、そのモノカルチャー的性格が過度に強調されてきた。それゆえ、アメリカ独立革命においてこれら植民地が有した経済史的意義は、しぼしば捨象され、政治史上での理解とのあいだに大きなギャップが存在していたといえよう。そこで本稿では、特にメリーランド植民地を対象に、植民初期から独立前夜までの経済の動向をできる限り計画的に分析することによって、タバコ植民地の持つ独立革命への経済的前提要因を探りだす。本国の航海法体制への反発という「消極的」要因とならんで、従来見過ごされてきた経済構造そのものの変容という現象が、「積極的」要因として、提示されることになるのである。

言及状況

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17~18世紀頃の、北アメリカ北部植民地、北アメリカ南部植民地、カリブ海植民地における ➀「世界商品」(タバコや砂糖)の有無と、それぞれの「世界商品」がもつ価値の比較 ➁それぞれの植民地における黒人奴隷の数とプランターの富の大きさの関係 ⓷それぞれの植民地におけるプランターの在地の有無とその理由 について調べたい。

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