著者
前川 貞次郎
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-37, 1952-05

フランス革命の間に、いくつかの人権宣言が作られている。公けに発布されたり、起草されたものでも、有名な一七八九年のものを最初に、九三年のコンドルセの起草によるジロンダンの入権宣言、同年六月のモンタニャールのもの、および九五年の権利・義務宣言がある。これらはいづれも憲法の前文的位置におかれ、憲法とは不可分のものであるが、その他に私人の人権宣言草案もすくなくない。私は、さきの四つの人権宣言と、私人のものとしてロペスピェールの宣言草案をとりあげ、それらを一応憲法とは切りはなして比較考察し、それらがいづれもその時々の歴史的状況を反映したものであり、ブルジョワ的性格において共通している点を、人権宣言の内容を分析することによつて、実証しようと試みた。

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