著者
泉 利明
出版者
千葉大学国際教養学部
雑誌
千葉大学国際教養学研究 = Journal of Liberal Arts and Sciences, Chiba University (ISSN:24326291)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-15, 2020-03-31

[要旨] 19世紀のフランスでは、俗語や隠語に関する著作が数多く出版された。これらの研究は、まだ言語学的な科学性を伴っていなかった。しかし、とりわけ隠語に向けられた関心は、この時代のフランスの社会状況や人間に対する見方と深く結びついていると思われる。本稿では、主に研究書、辞書の序文や項目、文学作品などを対象としながら、19世紀フランスで、隠語という特殊な言語表現が、どのように捉えられ、それについて何が書かれているかを検討する。まず、この時代に隠語が増大し、隠語とみなされる表現が拡大した状況を確認し、続いて、単語としての隠語の分析方法の特徴を見て、隠語に対する否定的な考えと肯定的な考えを対比させながら検討する。最後に、隠語に関する記述から、そこにどのような19世紀的特徴があるかを探ることにより、この時代の社会状況と言語の結びつきを示す。

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泉 利明 -  19世紀フランスの隠語研究【19世紀の隠語論における隠語の捉え方には、「記号」という冷静な類型化からはみ出すような、もっと生々しい存在としての人間への関心が込められているようにも感じられる】 https://t.co/TbiaoqsIrf
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