著者
泉 利明
出版者
千葉大学国際教養学部
雑誌
千葉大学国際教養学研究 = Journal of Liberal Arts and Sciences, Chiba University (ISSN:24326291)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-15, 2020-03-31

[要旨] 19世紀のフランスでは、俗語や隠語に関する著作が数多く出版された。これらの研究は、まだ言語学的な科学性を伴っていなかった。しかし、とりわけ隠語に向けられた関心は、この時代のフランスの社会状況や人間に対する見方と深く結びついていると思われる。本稿では、主に研究書、辞書の序文や項目、文学作品などを対象としながら、19世紀フランスで、隠語という特殊な言語表現が、どのように捉えられ、それについて何が書かれているかを検討する。まず、この時代に隠語が増大し、隠語とみなされる表現が拡大した状況を確認し、続いて、単語としての隠語の分析方法の特徴を見て、隠語に対する否定的な考えと肯定的な考えを対比させながら検討する。最後に、隠語に関する記述から、そこにどのような19世紀的特徴があるかを探ることにより、この時代の社会状況と言語の結びつきを示す。
著者
泉 利明
出版者
千葉大学国際教養学部
雑誌
千葉大学国際教養学研究 = Journal of Liberal Arts and Sciences, Chiba University (ISSN:24326291)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.57-70, 2017-03

[要旨] 本論は、『人間喜劇』に登場する多くの聖職者について、バルザックの宗教思想および社会観と、小説内で聖職者が果たす役割の観点から、考察したものである。十九世紀前半のフランス社会において、フランス革命とそれに続く一連の出来事で、キリスト教をめぐる状況が大きく揺れ動いた。そこで結果として生じたのは、聖職者の多様性である。バルザックは、自己の宗教思想を主張するのではなく、多様な聖職者像を作品ごとに描き分ける。本論では、教会内の上下関係、聖職者と信者の結びつき、カトリック教会が提示する道徳の意味、信者の信仰のあり方などの問題を取り上げ、複数の小説における共通点を検討し、聖職者像や聖職者と信者の関係の多様性が、物語の多様性を生みだしていることを示した。
著者
山根 靖弘 斉藤 静男 小泉 利明
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.31, no.9, pp.3214-3221, 1983-09-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
34
被引用文献数
1 2

The cooperative inhibitory action of heparin and antithrombin III on the thrombinfibrinogen reaction was neutralized by preincubating these anticoagulant factors in the presence of Ca or Mg, and the effect was larger with Ca than with Mg. However, the neutralizing action of Ca decreased in the presence of Mg. Bindings of poly-L-lysine and antithrombin III to heparin were also inhibited by the addition of Ca and Mg, and Ca had a larger effect than Mg. On the other hand, the binding ability of Ca to heparin was larger than that of Mg, and the coexistence of these metals reduced the binding affinity of each metal. These data suggest that the neutralizing action of Ca and Mg on the anticoagulant action of heparin and antithrombin III may be related to the ability of these metals to prevent the complex formation of the acid mucopolysaccharide and the thrombin inhibitor by binding to the acid mucopolysaccharide.
著者
泉 利明
出版者
千葉大学国際教養学部
雑誌
千葉大学国際教養学研究 = Chiba University journal of liberal arts and sciences (ISSN:24326291)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-17, 2019-03

[要旨] バルザックの小説の文体については、出版当初より、多くの批評家から悪文だと非難されてきた。しかし、フランスの社会状況は古典主義的な言語美学が支配していた時代から大きく変化した。とりわけバルザックのような写実的な小説という文学形式においては、「正しく美しいフランス語」ではない語彙も数多く導入される。本論では、そうした語彙の多様性の意味を、まず、言葉に含まれる時間性という観点から分析し、古語や新語の利用がどのような意図よってなされているかを探る。続いて、空間的に見たときの言語の相違や、職業あるいは階層ごとに特徴的な語彙の使用に着目し、俗語や隠語の効果について検討する。最後に、登場人物間での言語的交流が行われてる箇所を取り上げ、規範にそぐわない語彙の使用が小説の中で生み出している効果について論じる。
著者
小泉 利明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.18, pp.25-30, 2013-03-14

進学率の高まりの中で,就職率という数字に大学キャリア支援センターは左右されている。また,社会的にも就職活動におけるうつや自殺という問題が生じている。準ひきこもりやキャリア発達の未分化という問題を抱えながら学生自身も就職活動を進めている。このような状況の中で,就職率だけではなく学生の自己効力感を高めるキャリア教育とキャリア支援が求められている。