著者
畦 浩二 前川 太佑
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 総合教育科学 = Memoirs of Osaka Kyoiku University (ISSN:24329630)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.75-85, 2020-02

本研究は,日本中に広く分布し苔類の代表例として教科書によく取り上げられるゼニゴケの繁殖季節を明らかにすると同時に,中学校理科で活用できる発展的学習教材を開発することを目的とした。大阪府八尾市内の農業用水路で13ヵ月間定期採集を行い,配偶子のうの成長から胞子散布に至るまでの過程および胞子と無性芽から若い葉状体に成長するまでの過程を調査した。その成果は,以下のようにまとめられる。1)受精は3月と9月頃に開始される可能性が高い。2)胞子は年2回,4~5月頃と10~11月頃に散布されるが,同じ葉状体が2回連続して胞子体を形成しない。3)胞子と無性芽の発芽率はともに高いが,葉状体までの成長に要する期間は無性芽の方が比較的短い。4)ゼニゴケの一生を理解するための発展的学習教材として,図版「ゼニゴケの生活環」を開発した。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 1 favorites)

ゼニゴケ、年に2回胞子体を形成するのか。知らなかった。 https://t.co/Eac1TClZdP

収集済み URL リスト