著者
童 暁薇 TONG Xiaowei
出版者
創価大学日本語日本文学会
雑誌
日本語日本文学 = Studies in Japanese Language and Japanese Literature
巻号頁・発行日
no.30, pp.37-51, 2020-03-18

女性を家父長制と軍事体制の権威的な構造における被支配者として認識するのが一般的であるが、女性はこの構造の中で権威に従属し、みずからの役割に従順にしばしば熱狂的に従うことによってまたこのシステムを支え、補完する。十五年戦争中、数多くの女性作家は中国戦地へ従軍慰問をした。戦地ルポで意図的に中国兵士の「敵」イメージを作り、戦争を宣揚して、前線と銃後一体の共同体を強める戦争協力者となった。一方で、「敵」作りにおいて、戦地のもう一面が遮断されてしまい、そのことによって彼女たちの内心の不安や良心的負担などは解消されることが可能になる。

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