著者
益子 洋人
出版者
北海道教育大学
雑誌
北海道教育大学紀要. 教育科学編 (ISSN:13442554)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.125-132, 2020-08

本研究の目的は,援助要請における利益・コストの予期がその意図におよぼす影響を,過剰適応傾向の調整効果を確認するという観点から再検討することであった。大学生179名の回答を分析の対象として,「援助要請意図」の3因子を目的変数,援助要請における利益・コストの予期と過剰適応傾向の各因子を説明変数とする階層的重回帰分析を行った。その結果,「心理・対人関係に関する悩み」や「学業の悩み」を相談しようとする意図には「ポジティブな結果」の予期のみが有意な関連を示すことが示された。また,「健康の悩み」を相談しようとする意図には「ポジティブな結果」の予期だけではなく,「友人への他者志向性」と「友人への自己抑制」の交互作用項が有意な関連を示すことが示された。援助要請の利益・コストの予期と援助要請意図の間の関連の再現性が示され,相談相手と文脈を共有できるかどうかが明白ではない場面では,過剰適応傾向が一定の調整効果を持つ可能性が示唆された。

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CiNii 論文 -  過剰適応傾向は援助要請の利益・コストの予期とその意図の関連を調整するか? https://t.co/LX5HCjjM1n #CiNii

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