著者
田野村 忠温 Tanomura Tadaharu タノムラ タダハル
出版者
大阪大学大学院文学研究科 日本語学講座 現代日本語学研究室
雑誌
現代日本語研究
巻号頁・発行日
no.12, pp.18-37, 2020-12

動詞-名詞という形をした日本語の漢語複合名詞には,"N をV"などの動詞句に相当する意味と"V したN"などの連体修飾句に相当する意味の両方を表すものがある。しかし,前者の意味しか表さないものもあれば,後者の意味しか表さないものもある。複合名詞の事例ごとに事情が異なり,全体としてきわめて複雑な様相を呈しているが,その中にも一定の原理があるのではないかという見込みに基づき,動詞-名詞型漢語複合名詞の意味のあり方を統一的に説明するための観点を仮説として提示する。ここで論じる問題を大きく支配しているのは,中国語を範とした語形成と日本語の感覚による再解釈という2つの要素である。現代日本語の共時的な分析では見えてこない現象の論理を,通時的な要素を加えた考察を通じて探ってみたい。

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田野村忠温(2020)「漢語複合名詞の形成と再分析:動詞-名詞型複合名詞の二義性」『現代日本語研究』12(大阪大学大学院文学研究科日本語学講座現代日本語学研究室) https://t.co/MsFtiFjB2S

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